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建築家 奥田達郎さん

2021116日(土) 午前11時

人が笑顔で過ごせる場所をつくる建築家

建築家 奥田達郎さん

宝塚の清荒神を拠点に活躍する気鋭の若き建築家・奥田達郎さん。今、彼が設計や内装を手掛けた建物が北摂を中心に関西で急増しています。自宅は気持ちのいい高台に建てられた築50年ほどのコンクリートの建物。もともと診療所兼住宅だったものをシェアハウスとしてリノベーションしました。家庭菜園が楽しめる庭と、大きなキッチンがあり、ここを使って様々なイベントや集まりを催しています。

1987年に宝塚市で生まれた奥田さん。大学で文化人類学を研究。様々な国や町を見聞し、生きる人々の営みと文化が居住空間に深く関わっていると気付きました。大学を2年で休学し、建築の専門学校に入学。日中は建築事務所で働き、夜は学校という生活に。卒業後、実際に設計と建築の仕事を始め、そこから口コミで仕事が増え、今では引っ張りだこの人気に。

学生寮だった木造ハウスを、施主を含めたみんなのDIYでカフェ食堂に変身させたり、古い理容室をリノベーションして、セレクトショップに変えたりと、奥田さんのもとには、人が集まる場所を作ってほしいという依頼が絶えません。

そんな奥田さんが新たに手掛けているのが、今でも古い街並みが残る吹田市の旧山田村地域。こだわりのイタリアンがこの地に出店する、その店舗デザインを奥田さんが担当することに。建物の周辺を自分で歩いてデザインのコンセプトを探す奥田さん。奥田さんの考えたこのレストランのあるべき姿とは?人と地域とお店がつながる素敵なイタリアンのオープンは間もなくです。

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奥田達郎建築舎
概要人が集まる建物を造る建築家・奥田達郎さんの事務所。
住所兵庫県宝塚市清荒神5-1-8
備考阪急「清荒神駅」から徒歩10分
info@tatsu-arc.com
onishisantoko(おおにしさんとこ)
概要元学生寮をリノベーションしたご飯屋さん。
住所大阪府吹田市上山手町1-5
電話番号06-7709-1316
営業時間11:00~16:00
定休日木曜・日曜は喫茶のみ営業+不定休
備考阪急・千里線「関大前駅」から徒歩12分
nee yoshida 吉田装店
概要理容店をリノベーションしたセレクトショップ。
住所大阪府吹田市朝日町27-25
電話番号06-7164-0310
営業時間10:00~17:30
定休日不定休
備考JR「吹田駅」から徒歩5分
curation(キュレーション)
概要築100年以上の古民家をリノベーションしたイタリアンレストラン。
住所大阪府吹田市山田東2-20-1
備考2021年2月下旬オープン予定

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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