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庄本彩美さん 京都市上京区 「円卓」

2022226日(土) 午前11時

季節を詰め込んだ京のお弁当

庄本彩美さん 京都市上京区 「円卓」

京都で評判のお弁当。箱の中に詰まっているのは、美味しいご飯と移りゆく季節です。
腕を振るうのは、元看護師という料理家。さて、どんなお弁当なのでしょう。

京都市上京区。二条城からほど近い、西陣の町屋に「円卓」という屋号で活動する料理家、庄本彩美さんのアトリエがあります。朝から大忙しなのは、この日のイベントのため、60食のお弁当を作っているからです。四季の訪れを告げる様々な野菜たち。その美味しさを最大限に引き出した料理を詰めています。大切にしているのは季節感だそう。一番人気の「鮭弁当」のおかずは7種類。そして大根の赤い花びらが美しい「焼きサバのちらし寿司」。二種類のお弁当をマルシェに持ち込むと、庄本さんのお弁当は3時間で完売しました。

庄本さんは元看護師。京都の病院で働いていた時、身体が悪かった患者さんが、ご飯をちゃんと食べたい一心でみるみる元気になったのを見て、「食」の大切さに目覚めたといいます。さらに激務の中、自身も体調を崩したことで、食への興味が一層強くなったそうです。仕事を続けながら料理教室に通い、2018年、6年務めた看護師を辞め「食」の道へ。お弁当とケータリングをメインに、活動を始めました。「円卓」という屋号は、お家にあるちゃぶ台。円卓を囲んで人との縁を繋いできた庄本さんの思いが込められています。

アトリエの棚には、ずらりと保存食が並びます。実家でおばあちゃんが作る保存食を食べて育った庄本さんは、定期的に保存食作りのワークショップを開いています。この日は味噌作り。茹でた大豆を潰して麹と塩を混ぜて容器に詰め、酒粕で蓋をして10か月寝かせたら出来上がり。生徒さんたちも大満足です。

そしてある日は、お酒に合うお弁当のオーダーが。少し濃いめの味付けをして、サーモンの西京焼きに10種類の野菜。さて、お酒好きの皆さんに喜んでもらえたでしょうか。またある日は、京町家を改装した宿の朝食弁当の依頼が。春を感じる京野菜をたっぷり詰め込み、調味料も京都のものを使った「朝食弁当」、はたしてどんな仕上がりになったでしょうか。

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円卓
概要庄本さんが営むお弁当・ケータリング料理のお店。
住所京都府京都市上京区中島町689
営業時間月1回 不定期オープン(詳細はSNSを参照)  
備考メール entaku.ayumi@gmail.com

オープンアトリエ・イベントなどの情報は・・・
インスタグラム entaku_ayamii
ツイッター entakuAyumi

オーダー弁当は1,800円以上・10個以上から注文可能。注文はメール・SNSのダイレクトメッセージから。他、お弁当はイベントなどで販売しています。
万年青のオモテ市
概要円卓・庄本さんがお弁当を出店しているイベント。体にやさしい野菜、パン、おやつ、お弁当などが集まる。
住所京都府京都市上京区筋違橋町554-2
電話番号串揚げ 万年青 075-411-4439
営業時間毎月25日開催(12:00~夕方)
売り切れまでオープン、11:45から入場整理券配布。
備考イベント詳細・出店情報は・・・
インスタグラム kushiage.omoto
京の温所 麩屋町二条
概要円卓・庄本さんが朝食弁当を提供することになった、ワコールが手がける京町家・一棟貸しの宿。
住所京都市中央区麩屋町通二条上る布袋屋町502
電話番号問い合わせ先 0120-307-056(ワコールお客様センター)
9:30~17:00(土曜・日曜・年末年始・祝日のぞく)
備考京の温所・公式ホームページ
https://www.kyo-ondokoro.kyoto

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田口ナツミさん 「透過刺繍」 奈良県 大和郡山市

202553日(土) 午前11時

独自の技法「透過刺繍」の女性作家

田口ナツミさん 「透過刺繍」 奈良県 大和郡山市

糸で布に模様を描く刺繍。しかし、もしもあるはずの布がなかったら?まるで糸だけが浮かんでいるような不思議な作品に、今、注目が集まっています。唯一無二の技法「透過刺繡」を編み出したのは、刺繍作家の田口ナツミさん。美大に進むも挫折。長らく作品を生み出せずにいた彼女を救ったのは、僻地医療を担う夫と共に移住した、山深い村でした。

奈良県大和郡山市。古い町割や水路が残る町に、田口ナツミさんの自宅兼アトリエがあります。ナツミさんの刺繍はまずスケッチをし、それをもとに布へ刺繍したあと、そのまま水の中へ。すると…布が水に溶けるのです。そうして残った糸だけの刺繍。それが透過刺繡です。布がないので表裏がなく、どの角度から見ても楽しめます。

作品のモチーフは身近な植物や動物たち。大和郡山市に引っ越してからは地元の名物、金魚の作品が増えました。「金魚ストリート」と呼ばれる商店街を、二人のお子さんと一緒にお散歩しながら観察します。夫は単身赴任中。春休みの子供たちに目を配りつつ、作品作りに励んでいます。

田口ナツミさんは1991年生まれの奈良育ち。絵を描くのが大好きな子供だったといいます。美大に進学するも、作品を生み出せないスランプに陥り、大学卒業後に看護師の資格を取得。僻地医療の勉強会で夫と出会い、結婚。2019年から2年間、下北山村で生活したことが大きな転機となりました。

奈良県の最南部に位置する下北山村の人口は約700人。村で唯一の診療所に赴任している夫の元へ、子供たちを連れてやってきたナツミさん。初めての育児で悩んでいたとき、村のママ友のおかげで乗り切れたんだとか。そして3月31日、夫の田口先生の任期は終わりを迎え、6年間に渡って関わってきた村の診療所を離れます。人の温かさに心を満たされ、透過刺繡が生まれた下北山村。感謝と共に村を後にします。

4月。新生活もはじまり、ナツミさんは新たな作品を考えていました。いつもより大きな枠を使って生み出すのは、牧場でスケッチした羊の「左耳黒蔵くん」。さて、どんな透過刺繡になったのでしょうか。

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