バックナンバー

ハラ・ジェルソン・アイザワさん 大阪市住吉区 「GeRWORKS」

2022423日(土) 午前11時

竹や木で作る自転車が凄い

ハラ・ジェルソン・アイザワさん 大阪市住吉区 「GeRWORKS」

自然素材を使って唯一無二の自転車フレームを作る。そんなユニークな工房が大阪・住吉区にあります。メイン素材となるのは、軽くて強くしなやかな竹。完全オーダーメイドで乗り手にジャストフィットすることから、サイクリストたちに注目されています。
作るのは、来日21年目のブラジル・サンパウロ出身の日系三世、ハラ・ジェルソン・アイザワさん。

材料は、真竹。真竹は先細りしにくく太さが一定のため、自転車のフレームに適しているそう。「竹は収穫してから乾燥させます。一見、真っ直ぐに見えるけど、微妙に曲がっていて、円にも歪みがあります。一つ一つ個性があるので、その特徴をつかんで作るのが難しい」普通の自転車と較べると、軽くて錆に強い。また竹製のフレームはよくしなり、地面からの振動を吸収してくれるので、乗り心地も抜群。でも問題は強度でした。ジェルソンさんは、ポルトガル語で書かれたブラジルの、「船の構造専門書」を読み込んで研究しました。鉄のパーツと竹を結合する部分を、カーボンファイバーとガラスファイバーで圧着する製法は、この本からヒントを得ています。その強度は、「プロのロードレーサー・レベル」と専門機関で認定されています。塗装に使っているのは、漆の代用品で紫外線に強いカシュー塗料。「ブラジルに住んでいた頃、お祖母ちゃんの漆塗り弁当箱が美しくて、漆塗りの勉強をしたのがきっかけです」

サンパウロ生まれのジェルソンさんは、ブラジル人なら誰もがプレイするサッカーが苦手だったため、自転車にのめり込みます。来日したのは22歳の時。結婚を機に妻のふるさとである大阪に移住します。様々な仕事を経て、長年の夢だった自転車作りを始めたのでした。ジェルソンさんが手作りした、ユニークな自転車をいくつか紹介します。

ジェルソンさんを支えるのは、妻と11歳の娘さん。父の仕事に興味津々の娘・ジォバンナちゃんは、学校が終わるといつも工房にやって来ます。「竹が自転車になっていくのが面白い」そんな中、放置竹林の竹を使って新たなオーダーが。さて、どんな自転車になったのでしょうか?

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
GeRWORKS(ジェルワークス)
概要ブラジル出身の自転車職人ジェルソンさんが竹や木を使ってオリジナルのロードバイクを作る工房。自転車の修理なども行っている。
住所大阪市住吉区苅田3-14-19
電話番号06-7503-5057
定休日土曜
備考https://gerworks.sakura.ne.jp/

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

奈佐貴之さん 「京都はんなりばなな」 京都府 亀岡

2025419日(土) 午前11時

皮ごと食べられるバナナ

奈佐貴之さん 「京都はんなりばなな」 京都府 亀岡

ビニールハウスの中はまるで亜熱帯のジャングルのよう。そこで栽培されているのは…
バナナ。実はこのバナナ、皮ごと食べられるんです。場所は京都の亀岡盆地。国内流通量が全体のわずか0.2%と、希少価値が高い国産バナナ。その中で唯一の京都産ということで、名付けて「京都はんなりばなな」。栽培しているのはバナナ農家の奈佐貴之さんです。

一般的なバナナより糖度が高く、皮が極薄。この薄さも、皮ごと食べられる秘密です。バナナ農家を初めて4年。多くの人に京都産のバナナを知ってもらうため、2023年に直営のジューススタンドをオープン。店頭に立つのは奈佐さんと、妻の理恵さんです。香り高く濃厚な皮ありバナナジュースや、栄養たっぷりのアサイーボウルが話題に。お客さんにも好評で順風満帆に見えますが、「今年は勝負の年」と奈佐さん。どうゆうことでしょうか。

外の気温が8度でも、ハウスの中は22度。与えるのは水と肥料のみです。徹底した温度管理に加え、重要なのが水やり。140株に対して、一回で3トンの水を使います。朝から始めて終わるのは夕方。大変な作業です。収穫したバナナは一本一本、丁寧に水洗いして、専用施設で黄色くなるまで追熟させます。

京都府出身の奈佐さんは、大学卒業後上京し、IT関係の会社に勤務。京都に帰郷して、2019年に理恵さんと結婚。転機になったのは、コロナ禍で様々な職業が影響を受けた中で、食べ物を生産する仕事はなくならないと考え、農業に注目。でも何故バナナだったのでしょう?

この日はバナナの配達で、京都の有名パティシエの元へ。オーナーの中塚さんは「リッツカールトン京都」などで腕を振るい、名だたるコンクールで受賞歴を持つパティシエ。素材にこだわったケーキが連日完売の人気店です。そんな中塚さんが「京都はんなりばなな」に目をつけた理由は?そして奈佐さんのバナナを使った新しいスイーツ、題して「幻のシュークリーム」とは?

「今年が勝負の年」という奈佐さんが向かったのは、嵐山にある超高級旅館「星のや京都」。料理長に試食してもらいます。すると…

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー