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『堀内果実園』 
堀内奈穂子さん

2017129日(土) 午前11時

フルーツの世界を広げたい!6代続く老舗柿農家の挑戦

『堀内果実園』 堀内奈穂子さん

農家直送の季節の完熟フルーツを様々なスタイルで楽しめると評判のカフェが、今年6月、奈良市にオープンした。色とりどりのフルーツが並ぶ店内は、まるでフルーツパラダイス。カフェを手がけたのは、明治時代から続く老舗果実園に嫁いだ堀内奈穂子さん。カフェには、カットフルーツはもちろん、スムージーや旬のフルーツが楽しめるフルーツサンド、ドライフルーツやジャム、ティラミスなどがいただけ、フルーツを様々なカタチで楽しむことができる。完熟フルーツを大胆に使い、これまでにない食べ方を提案する奈穂子さん。それは、フルーツを食べなくなったといわれる若い人たちに、フルーツのおいしさを知ってほしいからだという。

奈穂子さんのお宅は、奈良県・西吉野。標高700メートルの銀峰山の中腹にある堀内果実園。明治36年からこの地で果樹の栽培に取り組んできた歴史ある果実園で、夫の俊孝さんは6代目に当たる。堀内果実園の顔ともいえるのが、吉野の名産でもある柿。先祖から受け継いできた樹齢100年を超える大きな柿の木が自慢で、丹精込めておいしい柿を作ってきた。現在は梅、ブルーベルーなどのフルーツも栽培し、加工品などを作っている。

秋は柿の収穫の最盛期。皮ごと食べられる新種の柿や種なし柿、富有柿など、数種類を栽培している。だが、若い世代は柿を食べる人が減少し、手間ひまかけた干し柿も手に取ってもらえない。そこで奈穂子さんは自ら店頭にたって美味しさをアピールしたり、ドライフルーツなど食べやすい形に加工したりして、少しでも柿を食べてもらおうと努力を重ねている。そのための一つが、カフェで出す柿を使った新メニュー。それが、焼きリンゴならぬ「焼き柿」。試行錯誤を重ねた結果、新たな柿スイーツを完成させるまでを追った!

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堀内果実園 三条通り店
概要西吉野の老舗柿農家が手がけるフルーツスタンド
住所奈良県奈良市角振町23
電話番号0742-93-8393
営業時間午前10時から午後7時
定休日無休
備考新作メニュー「アツアツ焼柿」(税込み680円)は
冬季限定メニューとして販売中です。
詳細はホームページまで               
https://www.horiuchi-fruit.shop
堀内果実園
概要自家栽培の果物を使ったドライフルーツなどを販売
住所奈良県五條市西吉野町平沼田1393
電話番号0747-20-8013
営業時間
定休日
備考加工品のネット通販を行なっています。
店頭販売は行なっておりません。
取り扱い店はHPでご確認ください。
詳細はホームページまで
http://horiuchi-fruit.jp
阪急うめだ本店
概要地下2階で堀内果実園の柿とあんぽ柿を販売
住所大阪府大阪市北区角田町8番7号
電話番号06-6361-1381
営業時間日曜~木曜 午前10時から午後8時
金曜・土曜 午前10時から午後9時
定休日
備考※生鮮食品のため天候などの影響で入荷のない場合があります。
詳細はホームページまで
http://www.hankyu-dept.co.jp

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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