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駒井健也さん 滋賀県大津市 「フィッシャーアーキテクト」

2023729日(土) 午前11時

琵琶湖の魅力を伝えようと奮闘する若手漁師

駒井健也さん 滋賀県大津市 「フィッシャーアーキテクト」

滋賀の大津にあるショッピングモール「ブランチ大津京」。今年4月、ここに新しいレストランができて話題になっています。『ν-BOTTOM HUM(ニューボトム はむ)』。地元の食材を味わえるお店なのですが、ここの魚を納めているのが、「ニューボトム はむ」の発起人の一人である、漁師の駒井健也さんです。「琵琶湖は鮎が有名ですが、他の魚も美味しいのに、加工に手間がかかるため、あまり流通していません。そこで、漁師が料理人と直接つながることで、琵琶湖の魚を届けようとしています」。

朝5時。漁に出た駒井さんを追います。「年間を通じて30種類ぐらいの魚介類を捕ります。それほど琵琶湖の魚は種類が豊富なんです」。漁法は「魞漁」(えりりょう)。琵琶湖では1000年以上前から続く伝統の漁法ですが、どんな漁でしょうか。他にも、延縄漁や刺し網漁など、15種類もの漁法を使い分けているといいます。「今の時期だと、コアユ、スジエビ、ホンモロコ、ワカサギなどが捕れます」。

朝9時。漁港に戻った駒井さんは、「フィッシャーアーキテクト」と名付けた拠点で、午前中に下処理を終えたら、京都の料理店へ配達です。

7月。草津川跡地公園で開かれたマーケットに出店した駒井さんですが、料理を販売するだけではありません。水槽に生きた魚を泳がせ、子供たちに見てもらう「ミニ水族館」を開いています。これを機に、琵琶湖をもっと身近に感じてもらいたいと考えたのです。

生粋の滋賀県人である駒井さんは、滋賀県立大学で建築デザイン科を学び、大学院を卒業後、漁業組合の親方に弟子入り。3年間の研修生活を送ります。えっ?建築を志していた駒井さん、何故、漁師になろうとしたのでしょうか?そして2020年、琵琶湖漁師として独立し、漁師と建築家を合わせた「フィッシャーアーキテクト」を起業します。さて、「フィッシャーアーキテクト」とはいったい何でしょうか?

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フィッシャーアーキテクト
概要漁師歴3年、駒井健也さん。「琵琶湖の魅力を伝えるため」奮闘する若手漁師。
住所滋賀県大津市八屋戸944
電話番号080-3862-1380
営業時間ホームページでご確認のうえ、お問い合わせください。
定休日不定期
備考漁体験 大人 5,000円~
中学生以下 1,000円~

ホームページ
https://biwako-fisher-architect.com
ν-Bottom HUM ニューボトム はむ
概要滋賀県の食材を味わえるレストラン。駒井さんが卸す湖魚がいただけます。
住所滋賀県大津市二本松1-1 ブランチ大津京「SG-Park」内
電話番号077-535-9051
営業時間11:00~18:00
定休日土曜・日曜(8月中旬より 土曜・日曜・月曜の予定)
備考ランチプレート 1,280円~
のくる
概要おばんざいの店「のくる」。
自然の恵みにこだわって食材を仕入れるお店。
琵琶湖の魚を使った料理もいただけます。
住所京都市中京区富小路通蛸薬師下ル高宮町575
電話番号075-285-4360
営業時間18:00~翌2:00(翌1:00 L.O.)
定休日不定休
備考おまかせコース 3,850円~

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養安明朗さん・美緒さん、井上拓耶さん 『BUM』 千早赤阪村

2025531日(土) 午前11時

千早赤阪村のレストラン&ヘアサロン

養安明朗さん・美緒さん、井上拓耶さん 『BUM』 千早赤阪村

杉の木が鬱蒼と生い茂る千早赤阪村の山中。その山道の途中に、忽然と古民家レストランが現れます。不便な場所にも関わらず、連日お客さんが。「何回か道に迷ったけど景色が凄い」。店を立ち上げたのは、大阪市内から移住した若き店主たち。目指しているのは、手間を惜しまない暮らし。今回は都会を離れ、心の豊かさを追い求める店主たちに密着します。

千早赤阪村の山中に2021年にオープンした複合施設『BUM』。築およそ140年という古民家をカフェレストランに改装しました。オーナーの養安明朗さんと妻の美緒さんは、南インドの伝統的な料理を提供しています。カレーをメインにしたコース料理は、どれも本格的なスパイスを使用。地元の野菜もふんだんに使っています。「これはサンバルという豆と野菜のカレーです」。明朗さんたちは、こうした本場の味に出会うため南インドに渡航し、家庭や食堂で伝統料理を学んだそうです。他のメニューもスパイシーで実に美味しそう。

もともと大阪市内の同じ飲食店で働いていた明朗さんと美緒さん。結婚後に間借り営業で始めたスパイスカレー店が評判となりますが、コロナ禍で売り上げが激減。「生きることを見つめなおしたい」と、今の地に移転したのです。それに共鳴したのが、友人の美容師、井上拓耶さん。母屋の横でヘアサロンを開業。「いい働き方が出来てるなあと」と井上さん。
広い空間を利用してギャラリーも併設。定期的に様々な作家の展示会を開催しています。

4月上旬。『BUM』はある転機を迎えていました。3年前からカレー以外の料理を作るために加入していた調理スタッフのななおさんが、6月から海外に行くことが決まり、いったん『BUM』を離れることになったのです。そのため、自分たちだけで作る新メニューを考案することにしました。

新たなメニューに向けて、明朗さんたちは滋賀県長浜市で店で使う器を探します。また、和歌山県橋本市の農園では、旬の野菜を仕入れます。調理方法も見直すことに。「インド料理を少しはずして、自分たちの暮らしに寄り添ったモノを」。次々と新メニューが生まれていきます。そして、お世話になっている農家さんや友人たちを集めて、試食会が始まりました。
果たしてその反応は?

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