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安隨誠さん 兵庫県三木市 「安隨製作所」

2024127日(土) 午前11時

鍛冶職人が生み出す1年待ちのフライパン

安隨誠さん 兵庫県三木市 「安隨製作所」

兵庫県三木市。日本で最も古い鍛冶職人の町といわれる、400年の歴史をいだく金物の産地です。ここに、注文してから1年待ちという、人気の鉄のフライパンを作る職人がいます。『安隨製作所』の3代目、安隨誠さんです。手打ち鍛造で「クワ」などの農器具を作る安隨製作所でしたが、安隨さんは調理器具を手掛けるようになり、今から5年前、金属製雑貨ブランド「millio」(ミリオ)を立ち上げました。「世の中に鍛治という仕事があるのを、もっと多くの人に知ってもらいたい。暮らしに身近な生活用品で、町の活性化につなげられたら」。

そんな安隨さんのフライパンをInstagramで知った、ベテランのキャンプ愛好家は、「直径17cm」「蓋が皿になる」「湯切り口がある」「折りたためる」、つまり調理すべてを完結できて、持ち運びにも便利なフライパンをオーダーしました。安隨さんは試行錯誤しながらも、注文をすべて備えた鉄のフライパンを、すべて手作りで生み出します。これがブレイクのきっかけとなり、安隨さんのフライパンはキャンパーたちに大人気となります。そして様々な進化を遂げるのですが、それらを見てみましょう。

鉄を叩いて伸ばす鍛造は、叩くことで鉄が高密度になり、熱伝導率が高く、高温でしっかり火が通り、耐久性も抜群です。打ち叩いた時にできる槌目は、表面の小さな凹凸によって油なじみがよくなり、焦げ付き防止にも役立ちます。

地元の産業を盛り上げたい安隨さんは、プロの料理人からのやや無茶な注文も受けつつ、違うジャンルのメーカーとのコラボ商品も開発しています。そこで培ったアイデアで生れた新しいフライパンとは?

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安隨製作所
概要今回の主人公、安隨誠さんが切り盛りする工場。安隨さんが立ち上げたブランド「ミリオ」は手打ち鍛造で作るフライパンを販売。キャンパーたちに大人気となっている。
住所兵庫県三木市与呂木76-1
電話番号0794-82-8803
営業時間9:00~17:00
定休日土曜・日曜・祝日
備考鍛造フライパン20cm 15,950円

ホームページ
https://millio1619.com/about.php
ガレージキャンプストア
概要安隨さんが作るフライパンを取り扱うキャンプ用品店。国内、海外を問わずセレクトした商品を多数販売している。
住所神戸市垂水区東垂水町762-667
電話番号078-753-6302
営業時間11:00-19:00
定休日月曜
備考ホームページ
https://garage-camp-store.com/
元町井おか
概要今回の主人公、安隨さんが夫婦で訪れた料理店。店主はIH対応の鍋を発注。季節に応じた鍋料理を提供している。
住所神戸市中央区北長狭通4-2-9
電話番号078-391-2522
営業時間11:30~14:00(13:30最終入店)
17:00~23:00(22:00最終入店)
定休日月曜
備考夜の懐石コース 13,200円

ホームぺージ
https://motomachi-ioka.com/

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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