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馬場丈雅さん 大阪府吹田市 『B.B.CURRY』

2024127日(土) 午前11時

カレーで団地の街おこし

馬場丈雅さん 大阪府吹田市 『B.B.CURRY』

もう二度と味わうことはできないと思っていた懐かしい「幻のスパイスカレー」が話題になっています。なぜ幻かというと…2010年まで大阪・中津にあったカレーの名店『スパイス飯店』。若くしてこの世を去った店主の味を、常連として通っていた馬場丈雅さんが、復活させたからです。

吹田市。桃山台駅から徒歩7分、竹見台団地にある「竹見台マーケット」は、街びらきに伴い、昭和43年にオープンした、個人商店が集まる昔ながらのマーケットです。入口にある、カウンター6席だけの小さなカレー専門店『B.B.CURRY』。厨房に立つのは馬場丈雅さんと妻の美紀さんです。メインのメニューはタイカレー。関西のスパイスカレーをけん引した『スパイス飯店』の味をそのまま再現して評判に。2011年、マスターの賢司さんが癌のため、39歳という若さで亡くなり、その味は幻となっていたのです。

賢司さんのお母さんから、賢司さんのレシピ帳を託された馬場さんでしたが、レシピ帳には肝心のスパイスや作り方が細かくは記されていませんでした。そこで馬場さんは、イベントでこのカレーの味を再現するため、マスターのお母さんや家族、常連さんの舌の記憶などを頼りに、試行錯誤を重ねます。そして遂に“マスターの味”が復活したのです。

吹田市で生まれ育った馬場さんは、地元吹田の古着屋さんで店長を任され、アパレルの道へ。その後、自らのブランドの立ち上げも経験し、百貨店の企画にも携わるようになりました。そんな馬場さんですが、浪人時代に『スパイス飯店』の味に衝撃を受け、病みつきに。そこから『B.B.CURRY』をオープンさせるまでには、一体どんな経緯があったのでしょう。

「竹見台マーケット」は、1968年、千里ニュータウンに開業。「大阪万博」で大いに賑わい、活気がありましたが、高齢化や老朽化で、かつて20以上あった個人商店が6店舗まで減っているのが現状です。馬場さんはその現状を打破すべく、ある大型企画を始めました。それは…

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B.B.CURRY
概要竹見台マーケットの入り口に2023年オープンしたカレー専門店。
大阪・中津にあった「スパイス飯店」のスパイスカレーを復刻し提供している。
住所竹見台マーケット内
営業時間【月曜、水曜、木曜】11:00~14:30
【金曜、土曜、日曜】11:00~14:30 / 17:00~20:00
定休日火曜、祝日、第3水曜
備考スパイス飯店のタイカレー 1,100円

ホームページ
https://bbcurry.com/

インスタグラム
https://www.instagram.com/bbcurry_suita/
竹見台マーケット
概要吹田市・竹見台の近隣センターにある昔ながらのマーケット。
青果店・惣菜店・豆腐店など、地域に愛されるお店が並ぶ。
住所大阪府吹田市竹見台3丁目6-6
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/takemidaimarket/
ワンダフルマルシェ
概要B.B.CURRYの店主、馬場さんが世界中で巡り会ったモノとヒトを
ツナグ「旅する蚤の市」。竹見台マーケットで定期的に開催中。
備考ホームページ
https://wonderful-marche.com/

インスタグラム
https://www.instagram.com/wonderfulmarche/

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田口ナツミさん 「透過刺繍」 奈良県 大和郡山市

202553日(土) 午前11時

独自の技法「透過刺繍」の女性作家

田口ナツミさん 「透過刺繍」 奈良県 大和郡山市

糸で布に模様を描く刺繍。しかし、もしもあるはずの布がなかったら?まるで糸だけが浮かんでいるような不思議な作品に、今、注目が集まっています。唯一無二の技法「透過刺繡」を編み出したのは、刺繍作家の田口ナツミさん。美大に進むも挫折。長らく作品を生み出せずにいた彼女を救ったのは、僻地医療を担う夫と共に移住した、山深い村でした。

奈良県大和郡山市。古い町割や水路が残る町に、田口ナツミさんの自宅兼アトリエがあります。ナツミさんの刺繍はまずスケッチをし、それをもとに布へ刺繍したあと、そのまま水の中へ。すると…布が水に溶けるのです。そうして残った糸だけの刺繍。それが透過刺繡です。布がないので表裏がなく、どの角度から見ても楽しめます。

作品のモチーフは身近な植物や動物たち。大和郡山市に引っ越してからは地元の名物、金魚の作品が増えました。「金魚ストリート」と呼ばれる商店街を、二人のお子さんと一緒にお散歩しながら観察します。夫は単身赴任中。春休みの子供たちに目を配りつつ、作品作りに励んでいます。

田口ナツミさんは1991年生まれの奈良育ち。絵を描くのが大好きな子供だったといいます。美大に進学するも、作品を生み出せないスランプに陥り、大学卒業後に看護師の資格を取得。僻地医療の勉強会で夫と出会い、結婚。2019年から2年間、下北山村で生活したことが大きな転機となりました。

奈良県の最南部に位置する下北山村の人口は約700人。村で唯一の診療所に赴任している夫の元へ、子供たちを連れてやってきたナツミさん。初めての育児で悩んでいたとき、村のママ友のおかげで乗り切れたんだとか。そして3月31日、夫の田口先生の任期は終わりを迎え、6年間に渡って関わってきた村の診療所を離れます。人の温かさに心を満たされ、透過刺繡が生まれた下北山村。感謝と共に村を後にします。

4月。新生活もはじまり、ナツミさんは新たな作品を考えていました。いつもより大きな枠を使って生み出すのは、牧場でスケッチした羊の「左耳黒蔵くん」。さて、どんな透過刺繡になったのでしょうか。

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