京都の九条にオフィスを構える「坂ノ途中」は、“野菜を提案する”というユニークな新ビジネスを進めるベンチャー企業。大学時代、農業にかかわる仕事をしたいと考えていた小野邦彦さんが、昨年夏に企業した。今回は、野菜が主役の新ビジネスをプロデュースする２６歳の若き実業家、小野邦彦さんの仕事に密着し、１００年先の農業を考えた“夢のカタチ”に迫った。

小野さんが立ち上げた「坂ノ途中」は、野菜をもっと身近に感じてもらいたいと、無農薬を信条とする農家と提携し、彼らが作る野菜を販売・プロデュースする会社。現在、農業が見直され、若手農家や新しい就農者が増えつつあるが、生産量が少なく、既存の流通では販売しにくい彼らのために、小野さんの会社が販路の開拓をしている。

新規の農家をサポートし、野菜をプロデュースする小野さん。契約している農家はすべて農薬や化学肥料に頼らない土づくりを主体としており、小野さんと同じ志を持つ仲間たちだ。小野さんが無農薬にこだわる理由とは・・・。そんな仲間の農家を巡り、野菜を集荷し、契約店に配達するのも仕事。契約する飲食店にはレシピの提案もしている。

そんな小野さんが手掛けた野菜のレストラン「北山ランタン」が、先頃、京都にオープン。季節の野菜をふんだんに取り入れたパスタメニューを提供している。店の評判が気になる小野さんは・・・。

野菜の販路を拡大中の小野さんは、海外にも着目。海外にある日本人向けのスーパーマーケットに営業し、ついに、シンガポールの店舗との契約に漕ぎつけた。だが、郵送料が加わるため、どうしても割高になってしまう。そこで、日本の土と気候があるからこそできる、日本らしさを感じられる野菜を送ることに。売れなければ、もちろん契約は解除。小野さんが命運をかけて選んだ野菜とは？

そして、熱い思いで農業に飛び込んだ人たちを支える小野さんの“夢のツヅキ”とは・・・。