「かやぶきの里」として知られる京都府南丹市の美山町に天然酵母で美味しいパンを作るパン工房がある。開店するのは土日と祝日のみ。平日は農業を営み、“半農半パン”生活を送るのが、パン職人の瀬口裕さんだ。今回は、瀬口さんのパン作りや地元の人たちとの交流、豊かな田舎暮らしを紹介した。
大自然に囲まれた、隠れ家のような小さなパン工房「ふらいぱん」。こちらのパンは美山町の名物のひとつで、遠方からもお客さんが訪れるほど。厳選した素材と美山の美味しい水から生まれるこだわりの天然酵母パンで、奥さんの手も借りて、瀬口さんが手間ひまかけて焼きあげている。今が食べごろの野菜や果物を畑で収穫し、それらを生地に練りこむパンも人気。天然酵母ならではのしっかりとした生地に、畑で採れた季節の食材が風味豊かなアクセントとなる美味しいパンは大好評だ。そんな瀬口さんのこだわりのパン作りを紹介した。
平日は工房を閉じ、農作業をする瀬口さんは、いわゆる“半農半パン”生活。２１年前に夫婦で美山町に移住し、“半農半パン”生活を目指したが、その実現には長い時間がかかったという。田舎暮らしには、畑仕事や風習、伝統文化など、その土地のやり方を知る必要があり、そのためには、地元の人たちとの交流が大切だという。そんな瀬口さんを支えてくれた師匠の存在があった。
今では地元のことを教える立場になり、理想の田舎暮らしを満喫。去年からは地区の区長も務め、祭りの準備に忙しく動き回っている。また、瀬口さんは、障害を持つ人の就労支援の一環として、地元の社会福祉施設でパン作りを教えている。自身の持つ技術を地域のために役立てていることも、理想の田舎暮らしが実現できた理由のひとつだ。そんな瀬口さんの充実した田舎暮らしを紹介した。