色とりどりの壁画で街に笑顔の花を咲かせる壁画作家の今川咲恵さんは、日本では珍しい壁画を専門に手掛けるアーティスト。関西を拠点に、依頼があれば日本全国、さらには海外にまで壁画を描きにでかける。今回は、今川さんの創作活動を紹介しながら、壁ではなく、地面に描くという新たなチャレンジに密着した。
温かな作風で見る人を笑顔に変える今川さんの壁画。作品にはいつも、サイン代わりに必ず入れるメッセージがある。それは、「みんなの心にパッとお花が咲きますように」という、彼女の壁画への想いを込めた言葉だ。壁画の魅力に気づいたのは今川さんが保育士だった時代で、託児所の壁に絵を描いたことがきっかけだったという。描き始めて６年、仕事にして３年ながら、幼稚園やショップ、個人宅まで彼女の壁画は幅広いファンをもつ。
今年の１月、生まれ育った大阪の街に念願のアトリエを構えることができた今川さん。壁画の良さを気軽に感じてもらうために持ち運びができるようにと発案した「布壁画」を製作している。また、壁画の魅力を伝える一環として、定期的にライブペインティングも開催。ＣＤジャケットを手がけたことで知り合ったミュージシャンたちとのコラボレーションにより、今川さんは、ステージと客席の雰囲気そのままを表現した作品を完成させる。
そんな彼女に新しい依頼が舞い込む。依頼主は大阪府箕面市にある託児所で、今回は壁画ではなく、小さな子どもたちが自由に動き回ることのできる地面がキャンパスとなる。そこで、子どもたちにも手伝ってもらうことに！様々なトラブルを乗り越え、「豊かな感性が育つように」という想いを込めた作品の製作過程に密着した。