兵庫県西宮市にある関西学院大学のすぐそばに、昨年の春、小さなチョコレート専門店「デリスモア」がオープンした。ショーケースに並ぶのは“ボンボンショコラ”と呼ばれる、中にジャムなどを詰めた一口サイズのチョコレート。それら一つ一つを手作りしているのが、若きオーナーショコラティエールの大勝久美子さんだ。今回は、大勝さんのチョコレート作りや、一粒一粒に込められた思いを紹介しながら、自分の店で初めて迎える最大のイベント、バレンタインへ向けて奮闘する大勝さんの姿を追った。
　大勝さんが生み出すボンボンショコラは、ヘーゼルナッツや抹茶、ストロベリーなどスタンダードなフレーバーから、他ではなかなか味わえないビールや、西宮の大吟醸酒を使ったものまで多彩な味わい。おもしろい素材の組み合わせが思い浮かべば、どんどんチャレンジするという。中でも珍しいのは、キュウリとホワイトチョコレートを組み合わせた「マリブコンコンブル」。ユニークな発想力とさわやかな口当たりが評価され、一流ホテルや大手のショコラティエールたちが多数参加する２０１２年の全国大会で３位に入賞！オープして１年も経たないうちに多くのファンも獲得した。
　大勝さんは、いま、チョコレートや焼き菓子作りをはじめ、販売から店のデコレーションまですべてを一人でこなす多忙な毎日。そんな彼女の仕事ぶりを紹介。食べれば幸せを呼ぶボンボンショコラの小さな一粒一粒に彼女が思いを込める。 　もともと、お菓子屋さんになる夢を持っていた大勝さんは関西学院大学を卒業後、神戸の洋菓子老舗メーカー、ゴンチャロフで商品開発部に配属。夜間の製菓学校や研修でパティシエ、ショコラティエールとしての技術を習得し、ゴンチャロフではバレンタイン最大のヒット商品となった「プチデザートアラモード」というセットを生み出す。そして、２０１２年春に独立。母校の前で夢を実現させた。
　この冬、自分の店での初めてのバレンタインを迎える。「プチデザートアラモード」を超えられるような、テーマ性の強いセットをと、意気込む大勝さん。考えた末、ティータイムをテーマに、ボンボンショコラでティーカップを表現することに。
さらに、バレンタインのディスプレイも特別なものにしたいと、京都へ！
バレンタインに向け、試行錯誤する大勝さんに密着した！