奈良県橿原市にあるやさい菓子工房「ココアイ」は、野菜が主役のケーキ屋さん。トマトやお芋、アスパラなど、野菜を使ったスイーツのレシピすべてを監修しているのが、オーナーパティシエの原田知里さんだ。今回は、野菜ソムリエであり、食育インストラクターでもあるパティシエ、原田さんのヘルシーなスイーツを紹介しながら、昨年５月に娘が誕生し、ママパティシエとなった原田さんが、乳幼児向けのスイーツ作りに挑む姿を追った。
原田さんがスイーツ作りの際にこだわるのは原材料。主な野菜は地元の契約農家から取り寄せるほか、牛乳や卵も新鮮なものを直送してもらう。可能な限り、地元、奈良県産の良質な材料を使っている。そんな原田さんが積極的に取り入れているのが「大和野菜」だ。戦前から奈良県で生産が確認されている“大和の伝統野菜”と、栽培や収穫が独特である奈良県オリジナルの“大和のこだわり野菜”の２種類からなる「大和野菜」。それらを使った原田さんオススメのスイーツを紹介した。
素材にこだわり、心と体に優しいお菓子をつくることがモットーだという原田さん。素材に敏感な人たちも安心して食べられるお菓子を作るために研究を重ねている。そのきっかけとなったのは、自身が発症したアトピー性皮膚炎だった。ストレスによりアトピーを発症した原田さんは、医者から食事制限治療を勧められる。そのとき、身体にとって食べ物は大切なんだということを実感。そして、食に目覚めた原田さんは試行錯誤を経て、２０１０年に「ココアイ」をオープンした。
昨年５月に娘が誕生し、ママパティシエとなった原田さん。育児の時間を取るために、しばらくは新作のレシピ作りに専念している。そんな彼女が、これまで使ったことのない野菜で新作作りに挑戦。ママとなった原田さんが乳幼児向けのスイーツ作りに挑む。乳幼児の栄養分を補足するような、離乳食のようなお菓子を作りたいという原田さん。管理栄養士とタッグを組んで挑む。