京都府福知山市に全国のスイーツ好きが憧れるスイーツ工房がある。世界一のショコラティエが腕を振るう洋菓子「マウンテン」だ。ヨーロッパの古城にある秘密の部屋のような店内には、宝石のように美しいチョコレートや洋菓子が並ぶ。オーナーショコラティエはチョコレートの世界大会で優勝した、“世界一”の称号をもつ水野直己さん。今回は、故郷の福知山から新たなチョコレート文化を発信しようと奮闘する水野さんを紹介。さらに、昨年の台風被害の際に支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを伝えようと、同じく福知山に店を持つ西村シェフとともに、スペイン料理とチョコレートをコラボさせたパーティーを企画。その開催までを追った！
７年前に世界一のショコラティエとなった水野さん。本場ヨーロッパの審査員を唸らせたコンクール作品を商品化したのが、人気のボンボンショコラ「杏と塩」だ。美味しさの秘密は手間を惜しまない製造工程にあり、ヨーロッパとは気候が異なる日本でのチョコレート作りのため、独自の機械を東大阪の町工場と共同で開発したほど。
水野さんは高校卒業後に東京の洋菓子店やレストランで経験を積み、２４歳で憧れのフランスへ。本場では、小さな町にもチョコレートショップがあり、地元の人たちに愛されていた。そんな修業時代の光景が今も忘れられないという水野さん。そしていま、小さな城下町から新たなチョコレート文化を発信している。そして、その志に魅かれ、多くの若者が全国から弟子入りに訪れる。
昨年、水野さんの故郷は台風１８号による大きな災害を被った。豪雨で由良川が氾濫し、洋菓子「マウンテン」も被害を受け、２ヵ月ほど休業。だが、災害を通して人とのつながりの大切さに改めて気づいたという。そこで、水野さんは福知山にスパニッシュレストラン「ラボラトリ」を構える西村純一シェフにお願いし、店の再開までを支えてくれた人たちに感謝の気持ちを伝えたいと、スペイン料理とチョコレートがコラボするパーティーを開催することに。西村さんは、近年、世界の料理人が注目する新スペイン料理を本場スペインで学んだシェフであり、高校時代を過ごした福知山に世界一のショコラティエがいると知って店を開いたという。世界的な名店で修業をした西村シェフの独創的な新スペイン料理の技法と水野さんのチョコレートは、どんな共演を見せるのか！？世界一のショコラティエ渾身の新作デザートも披露した！