２０１０年に瀬戸内海の島々を舞台に開催された「瀬戸内国際芸術祭」。その舞台になった島のひとつが豊島だ。芸術祭に合わせ、"食とアート"の出会いの場としてレストランの「島キッチン」がオープンした。現在、レストランを切り盛りするのは店長の藤崎恵実さん。今回は、地元の豊かな食材を使った独創的なメニューが人気を呼ぶ「島キッチン」の魅力や、藤崎さんの島への深い思いを紹介した。
香川県豊島にある「島キッチン」は、店そのものがアート作品でもあるレストラン。料理を作るのは豊島のお母さんたちで、店を切り盛りし、デザートを担当するのが藤崎さんだ。レストランとして営業するのは週末の３日間で、地元の食材を使った料理が食べられる。島の郷土料理を盛り込んだランチや島で獲れた野菜を使ったキーマカレー、豊島産のレモンから作られるレモネードやレモンケーキも人気メニュー。国内はもとより、海外からもお客さんが訪れる。
そんな「島キッチン」のメニューを監修しているのは、東京丸ノ内ホテルの総料理長、山口仁八郎シェフで、「島キッチン」のオープンの際に来島して以来、島のお母さんたちとメニュー作りに取り組んでいる。オープンの際には島の食習慣やお母さんたちのやり方をできるだけ尊重したという山口シェフ。そんな山口シェフとお母さんたちが協力し合い、開発したメニューを紹介した。
豊島で生まれ育ち、島への思いにあふれる藤崎さん。県外で働いていたが、「瀬戸内国際芸術祭」について知った藤崎さんは、芸術祭を支援するボランティアサポーターの団体「こえび隊」に参加し、故郷に帰って来た。「島キッチン」の運営も「こえび隊」が行っており、携わることになったという。現在、「こえび隊」は月に２回、豊島を巡るガイドツアーを開催。瀬戸内ならではの美しい自然や島に暮らす人々の生活を垣間見ながら、アート作品を道標に、魅力あふれる豊島を案内する内容で、ランチは「島キッチン」特製のお弁当が食べられると好評だ。
そんな藤崎さんが、島の人たちに「島キッチン」にもっと来てもらいたいと始めたのが、"島のお誕生会"。４月からスタートしたというイベント。そのお誕生会の準備からイベント当日の模様までを紹介した。