最近、よく目にするようになった、まるで飛ぶ鳥の目線のような映像。そんな雄大でダイナミックな映像はラジコンヘリを使って撮影されている。今回は、ラジコンヘリのマルチコプターを使う空撮アーティストの前田太陽さんを取り上げ、その作品や撮影の様子を紹介。次々と新たな撮影に挑む前田さんの作品作りに密着した。
新しい才能を発掘し、関西のアートシーンを盛り上げようと神戸市が後援している「天才アーティスト発掘プロジェクト」で今年の最優秀賞に輝いた前田さん。兵庫県丹波市にある黒井城の雲海を空撮した作品だ。そんなアート作品をはじめ、仕事としても空撮映像を数多く残している。前田さんが使うのは、ラジコンヘリのマルチコプターと呼ばれるもの。空中での安定度が抜群で、これまでの空撮の常識を超える、驚くような映像が撮影できるという。さらに、撮影機材はどんどん性能が上がり、進化。前田さんにとっても新たな挑戦の連続だ。そんな撮影のノウハウを実際の空撮を通して紹介。
もともとは造船会社でプラント設計業務に就いていたという前田さん。子どもの頃から「鳥のように飛びたい」という願望が強く、趣味としてハマったラジコンヘリを仕事にしたいと、農薬散布などの産業用無人ヘリのオペレーターや、操縦を教えるインストラクターの仕事に転職。そのため、機体や機材のメンテナンスや改良も自分でこなすとか。そんな前田さんが熟練操縦者ならではの飛行テクニックを披露する。
空撮アーティストとして様々な撮影に挑んできた前田さん。以前、パラグライダーを撮影したが、思うようなイメージの映像が撮れなかったため、再チャレンジする。また、初の海外撮影に挑戦！奥様が店の商品の仕入れのためにチェコに行くことになり、前田さんも同行。憧れのプラハの街でマルチコプター撮影を行う。美しいプラハの街並をテーマにした作品が出来あがった。
さらに、「天才アーティスト発掘プロジェクト」で最優秀賞を受賞した黒井城の雲海を再撮するという前田さん。というのも、当時より機材が進化しており、「昨年とはまた違うものが撮れる」と確信。雲海の撮影は時間やタイミングなどの制約の中、さらに進化した作品が完成した。