大阪のオフィス街にたたずむ「クッチーナ・ディ・サルティーニ」は、イタリア半島の中東部にある小国、サンマリノ共和国の味が楽しめるレストラン。サンマリノ国内で唯一、ミシュランの星を獲得した名店で修業をした女性シェフ、岡嶋純子さんが郷土色豊かな料理を提供している。今回は岡嶋さんの手によるサンマリノ料理の魅力を紹介。さらに、１３年間お世話になった師匠の初来日に合わせ、タッグを組んでディナー会を開催する師匠と弟子の姿を追った。
アットホームな温かみを感じるレストラン「クッチーナ・ディ・サルティーニ」。注目のサンマリノ料理はおふくろの味さながらの郷土色豊かなメニューだ。もともと、料理好きだった岡嶋さんは１８歳で調理師学校へ。そのとき、たまたまアルバイトをすることになったイタリア料理店で運命の出会いがあった。イタリアへ行くきっかけとなった、日本の師匠との出会いがあった。２７歳のとき、単身イタリアへ渡った岡嶋さんはサンマリノへ移り、サンマリノで唯一、ミシュランの星を獲得している有名レストランへ。シェフのルイージ・サルティーニさんに師事した岡嶋さんは副料理長に抜擢され、ローマ法王をももてなす料理人になった。そして、３年前に帰国し、翌年、大阪に店をオープンさせた。
徐々に大阪に浸透してきたサンマリノ料理。そんなある日、サンマリノにいる師匠の娘さんとご主人が新婚旅行で日本を訪れた。早速、サンマリノの味を振る舞う岡嶋さん。さらに、師匠のサルティーニさんが初来日することに！しかも、２人が共同で料理を作り、特別なディナー会を開くことになった。
岡嶋さんは、師匠とのコラボに使う新たな食材を求め、淡路島で質の高い野菜を作る生産者グループを訪ねたり、大阪の松原市では料理人の間で評判の合鴨肉の店を訪ねる。いよいよ、サンマリノから師匠と奥様が到着。１３年間お世話になった師匠と２年ぶりの再会を果たす。長旅の疲れも見せず、岡嶋シェフの店を訪ねるサルティーニさん。そんな師匠に岡嶋さんは、「サルティーニシェフ直伝」とつけたほど思い入れのある、旬の魚介を使った伝統料理を食べてもらった。
翌日にディナー会を控え、岡嶋シェフと師匠は木津市場で食材探し。日本の食材が気になる師匠が気に入った食材を使っていよいよ、一夜限りのディナー会。３年ぶりの共同作業は以前と変わらず、とてもスムーズ。さらに、イタリアに行くきっかけとなった日本の師匠も招待し料理を披露した。