日本が誇る観光都市、京都の新名所として注目を集めているのが、客席数わずか１００ほどの小さな劇場で繰り広げられる新感覚エンターテイメント「ギア-GEAR-」。世界トップレベルのパフォーマーたちが五感を揺さぶる感動の世界へと誘う。その１人として活躍しているのが、若きジャグラーの酒田しんごさんだ。今回は、「ギア-GEAR-」の舞台裏に密着し、しんごさんの奮闘やさらなる飛躍のために大きな壁に挑む姿を追った。

しんごさんが出演する「ギア-GEAR-」は、言葉を使わないノンバーバルパフォーマンス。演じるのは世界レベルの実力をもつトップパフォーマーたちで、パントマイマーやブレイクダンサー、マジシャン、ジャグラーと主役を演じる女優が、台詞なしで物語を綴っていく。彼らの圧倒的なパフォーマンスと映像技術、音楽を駆使した舞台は２０１２年にスタートし、昨年６月には１０００回を達成。来場者は８万人を突破するほどの人気だ。
その舞台に出演中のしんごさんは、１７歳からプロとして活躍する、ジャグリング歴１６年の実力者。小さい頃から最も練習を重ねてきた得意のボールは、安定感と軌道の美しさで高い評価を得ている。そんなしんごさんがジャグラーになる夢を抱いたのは、１０歳の時に出会ったプロのジャグラー、渡辺あきらさんがきっかけ。４年前に「ギア-GEAR-」に入ったしんごさんは、憧れの渡辺さんと再会、今は同じ舞台を盛り上げる仲間になった。２年前にはプロのジャグラー集団「ジャグラーズビジョン」から声をかけられ、メンバーの一員として全国各地を飛び回り、日本のトップクラスのジャグラーとして活躍中。
「ギア-GEAR-」の舞台は週４日の昼夜２回公演。毎日、演じるメンバーが替わるため、毎回、リハーサルは綿密に行われる。１０００回を超えた今も反省会を欠かさず、常に素晴らしい舞台を目指す「ギア-GEAR-」の魅力も紹介。
忙しい日々を送るしんごさんだが、どんなに忙しくても時間を作り、必ず訪れる大切な場所がある。それは、地元の京都木津川で定期的に開催される子どもの遊び場「この指とまれ」。ここで小学生たちにジャグリングを教えている。
しんごさんにとって今の一番大きな壁は、数年前から特訓している９ボール。ボールジャグリングでは最高レベルの技だが、「ギア-GEAR-」の舞台で決めて、さらなる一歩を踏み出したいと考えている。練習すれば必ずできるのがジャグリング。そう念じて、９個のボールを投げ続けるしんごさん。公演の日を迎え９ボールジャグリングに挑戦するまでを追った！