月〜金曜日 18時54分〜19時00分


歴史街道ってどんな番組 

 ABCテレビ番組編成の変更で、歴史街道の放送時間が2002年4月1日から午後6時54分からになりました。この機会をとらえ、8年間続いた「歴史街道ってどんな番組?」を認識していただこうとその内容を紹介します。


 
歴史街道とは  放送 4月1日(月)
 関西には日本の国宝の6割、重要文化財の半分、国指定の史跡名勝の3割が集中している。歴史文化の宝庫で、先人たちが築いたこれらの遺産は世界に誇れるものである。日本が海外から「顔のない経済大国」と評され、効率性、経済性のみを重視してきた姿勢を省みて、歴史、文化、心など日本の良さを再発見しようと、歴史の舞台となった二府六県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重、福井)を訪ね、日本文化の魅力とその美しさを体験し、実感できる旅のルートとして生まれたのが歴史街道。
 歴史街道には日本歴史の時代の流れに沿って伊勢〜飛鳥〜奈良〜京都〜大阪〜神戸と時代順に続くメインルート、各地域の特徴を活かしたテーマルートが設定されている。

京都

(写真は 京都)

神戸

 日本人の心に伝えれれ、文化の源流とも言える神話の地・伊勢から始まり古代国家の基礎が作られた飛鳥への古代史ゾーン。平城文化が花開いたシルクロードの終着点・奈良を中心とした奈良時代ゾーン。日本独自の文化が醸成された京都を中心とした平安〜室町時代ゾーン。天下分け目の天王山から浪花の元禄文化が花開いた大阪を中心とした戦国〜江戸時代ゾーン。文明開化の明治以降の国際交流の舞台となった神戸を中心とした近代ゾーンに至る、メインルート約300kmの時間旅行である。
 テーマルートは天下統一を夢見た戦国武将の足跡をたどる「近江戦国ルート」「越前戦国ルート」。熊野三山や真言密教の聖地・高野山を結ぶ「高野・熊野詣ルート」。伊勢参宮の主要ルートを結ぶ「お伊勢参りルート」。豊かな大自然に囲まれ役行者ゆかりの修験道のメッカを結ぶ「修験者・秘境ルート」。大江山の鬼退治、安寿と厨子王などの伝説をテーマにした「丹後・丹波伝説の旅ルート」。竹内街道、東高野街道、熊野街道、紀州街道などの古道をテーマにした「なにわ歴史ルート」。城郭や橋、モニュメントなどの地域のシンボルをテーマにした「ひょうごシンボルルート」が設定されている。

(写真は 神戸)


 
古社・名刹・歴史遺産  放送 4月2日(火)
 ABCテレビ「歴史街道」の番組では、過去8年間に数多くの史跡、歴史遺産、文化財を紹介してきたが、その中から代表的なごく一部を振り返ってご覧いただく。
 日本人の心のふるさとでもあり、歴史街道の出発点の伊勢神宮。皇室の祖神・天照大神(あまてらすおおみかみ)を祭っている内宮と豊受大御神(とようけのおおみかみ)をまつっている外宮がある。「せめて一生に一度はお伊勢参りを」と言うのが庶民の願望で、江戸時代の「おかげ参り」で伊勢参りは最高潮に達した。
 また伊勢には素晴らしい自然と海岸美が残っており、関西、中京方面からのリゾート地として脚光を浴び、週末には行楽客やグルメ客でにぎわっている。

龍安寺

(写真は 龍安寺)

姫路城

 平成12年(2000)、台風の被害から見事によみがえった奈良・室生寺五重塔(国宝)。飛鳥に点在する数多くの謎の石造物の中でも最大の石舞台は、高松塚古墳壁画とともに飛鳥のシンボル。聖武天皇の発願で建立が始まり大仏さんで親しまれている盧遮那仏(るしゃなぶつ)(国宝)が安置されている東大寺と奈良時代から平安時代にかけて権勢を誇った藤原氏の氏寺・興福寺の二大寺院がある奈良は、ほかにも古寺、名刹が数多い。
 禅の境地で欧米人にも人気の高い京都・龍安寺の石庭は、見る人の心を静かに和ませてくれる。このほか京都の寺や離宮などには数多くの名庭園があり、日本文化の粋を誇っている。白鷺城の呼び名で知られる姫路城(国宝)の素晴らしい雄姿は、見る人に感動を与え、城郭研究の上からも貴重な文化財とされている。

(写真は 姫路城)


 
自然の恵み  放送 4月3日(水)
 歴史街道には先祖の手になる文化遺産と共に、自然が生み出す美しい花や風景もまた貴重な財産と言え、旅する人びとの気持ちを和らげてくれる。折しも春の花の季節、歴史街道を美しく彩る季節の花々をめでてみた。
 奈良市では一番早く咲き、奈良に桜の開花を告げる桜とと言われる氷室神社の枝垂れ桜。
地上すれすれに地をはうように咲く京都市・仁和寺の「御室(おむろ)の桜」は京都で一番遅咲きの桜。
 京都・祇園の春を謳歌するように咲き誇るソメイヨシノやしだれ桜は、静かな昼間の祇園の街をパッと明るくする。だが、白川沿いの桜の魅力は夜桜と言う人が多い。お茶屋にあかりがともり、そのあかりを受けてほんのりと浮かぶ白い花びらには祇園独特の艶めかしさが漂う。

桜井・長谷寺・牡丹

(写真は 桜井・長谷寺・牡丹)

近江八幡・金台寺・かきつばた

 桜のほかに社寺や野山には美しい花が四季折々に咲き競う。早春、淡路島南端の南淡町・灘海岸の斜面7ヘクタールに約500万本のニホンスイセンが花開く淡路名物の灘黒岩水仙郷。「ひと目100万本」で有名な和歌山・南部梅林の梅の花は紀州路に春を告げる。
花の寺として有名な桜井市の長谷寺の圧巻は牡丹(ぼたん)で、境内に150種、7000株の牡丹が4月下旬から5月上旬にかけていっせいに咲き、寺の境内全体が壮大な大牡丹園に変わる。近江八幡市金台寺のカキツバタの楚々とした姿は何とも言えない。
 秋もまた美しい季節である。高原の斜面を一面に覆うススキが秋風に波打つ奈良・曾爾高原。関西の日光と言われる桜井市・談山神社の紅葉は、社殿や十三重塔などとマッチした一巻の絵巻物。

(写真は 近江八幡・金台寺・かきつばた)


 
舌で楽しむ  放送 4月4日(木)
 歩いて楽しみ、目で楽しみ、そして舌でも楽しめるのが歴史街道のうれしいところ。
今回は歴史街道のナレーターを努めるABCの道上洋三アナウンサー自身が、これまでに番組で味わった美味、珍味を振り返ってみる。
 大阪のうどんとはまったく違う不思議なのどごしの伊勢うどん。農民が味噌から出た「たまり」をかけて食べたのが始まりで、伊勢うどんを食べるのが伊勢参り客の定番となった。
 飛鳥の里では万葉びとたちが食した古代食が、藤原京跡から出土した木管を基に再現されている。赤米のごはんやにごり酒、牛乳を煮詰めて作った練乳タイプの「蘇(そ)」など、野趣あふれる品々が並んでいる。

伊勢うどん

(写真は 伊勢うどん)

飛鳥・当時の宮廷料理(推測)

 茶どころの宇治では、秀吉の時代から続く抹茶をアレンジした茶店の茶だんごが、平等院見物の疲れをいやす観光客らになかなかの人気だ。
 京都・鴨川の源流・貴船川に渡された川床で賞味する川床料理の味は暑い夏の暑気払いに打ってつけ。見た目にも涼しい器に盛られたアユやハモ、山菜、そうめん料理に加え山と川面の冷気が夏を忘れさせる。
 朝鮮国王の国書を携え江戸へ向かう朝鮮通信使は、正使、副使から通訳、医者、画家、楽士ら総勢300人から500人におよぶ。現在のソウルから江戸まで往復約3000kmの旅した朝鮮通信使が、往路、復路とも近江八幡で昼食をとった。その時の接待料理が復元されている。

(写真は 飛鳥・当時の宮廷料理(推測))


 
これからも一生懸命   放送 4月5日(金)
 歴史街道の制作スタッフはこれまで8年間、美しい映像で歴史街道の各ルートの魅力を発見、実際にそこへ足を運ぶ気になってもらうことを念頭に番組制作してきた。
 ABCテレビ・ラジオのベテランアナウンサー・道上洋三さんの滑らかなナレーションがこの番組の看板で、ファンも多い。それだけに道上さんは全神経を集中させると言う。
 CMを除くとわずか2分間の番組だが、そこに注ぐ時間、労力は大変なものである。プランニングから始まり資料の収集、撮影現場のロケハン、撮影対象の社寺との交渉など事前の準備が大変。国宝、重要文化財など貴重な文化財が対象なので、撮影の了承を取り付けるのにもひと苦労する。一般の拝観では目にすることができない仏像や書画を映像に収め、視聴者に提供しようとねばり強く承諾を取るのが担当ディレクターの腕の見せ所で、交渉や打ち合わせに2〜3日も費やすこともある。

収録風景

(写真は 収録風景)

撮影風景(六波羅密寺)

 事前の準備が終わるといよいよ撮影。ディレクター、アシスタントディレクターにカメラマン2人、照明担当2人の総勢6人が平気的な撮影スタッフ。
 案内役の旅人は素人の女性。まずこの旅人に撮影の雰囲気と要領を飲み込ませるのに苦労する。撮影現場では演出、カメラ、照明の各スタッフが、知恵と工夫を凝らし労力を惜しまず、さまざまな機材を駆使して映像作りに励む。時には高さ20mにも伸びる大型クレーンやカメラを移動させるレールなどの機材を持ち込むこともある。2分間の番組を制作するのに撮影するビデオテープは2時間から2時間半にもおよぶ。最良の映像を撮ろうとたゆまぬ努力を続けるスタッフの姿には頭がさがる。撮影済みの長いビデオテープを2分間の番組に編集する大変な作業が終わり、いよいよ道上洋三さんのナレーションが入って番組は完成する。
 歴史街道制作のスタッフは「これからも一生懸命に番組制作に取り組みますので、歴史街道をいつまでも視聴してください」とその意気込みを語ってくれた。

(写真は 撮影風景(六波羅密寺))


◆歴史街道とは

     日本の歴史の舞台を尋ねながら、日本文化の魅力を楽しみながら体験できる
ルートのことです。
     伊勢・飛鳥・奈良・京都・大阪・神戸の歴史都市を時流れに沿ってたどるメインルートと地域の特徴を活かした8本のテーマルートが設定されています。

 

(1)・・・ひょうごシンボルルート   
(2)・・・丹後・丹波伝説の旅ルート
(3)・・・越前戦国ルート              
(4)・・・近江戦国ルート              
(5)・・・お伊勢まいりルート         
(6)・・・修験者秘境ルート           
(7)・・・高野・熊野詣ルート         
(8)・・・なにわ歴史ルート           

    歴史街道計画では、これらのルートを舞台に
  「日本文化の発信基地づくり」
  「新しい余暇ゾーンづくり」
  「歴史文化を活かした地域づくり」
を目指し,
    官民188団体によりソフト・ハード両面の事業が推進されています。

◆歴史街道テレフォンガイド

     テレビ番組「歴史街道〜ロマンへの扉〜」と連合した各地の歴史文化情報を提供しています。
                  TEL:0180−996688    約3分 (通話料は有料)

 

◆歴史街道倶楽部のご紹介

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歴史街道推進協議会