月〜金曜日 21時54分〜22時00分


 港町神戸は様々な顔をもっている。海外からの物資や文化の出入り口として、ファッションや食べ物、宗教、観光に対する感性や取り組みが他の都市と一味違ったものとして感じられる、魅力ある街である。
 観光行政に力を入れる神戸市をはじめ、民間の努力によって多くのユニークなミュージアムが作られている。今週はその幾つかを訪ねてみよう。


 
日本の大工道具(竹中大工道具館) 放送日 10月25日(月)
竹中大工道具館 日本最古の歴史を誇る竹中工務店が、世界に冠たる日本の大工の技能を支えた大工道具を残そうと、創業85週年の記念事業として、最初に本社をおいた縁の神戸の地に1984年、博物館を設立した。
 しかし、大工道具は大工がとことん使い込んで消費してしまい、あまり残らないものである。研いで研いで研ぎまくり、摩滅して最後には刃の部分が残らない位に使い切る。鋸でも目立ては大工が自分でするというのが、修行の一部になっていた。しかし、近年の電動工具の出現で道具の世界も大きく様変わりし、古い時代の道具は消えて行きつつある。

大工道具のかずかず原始時代から現代にいたる大工道具の歴史と変遷をたどり、歴史的建造物や木組みの仕口を絵巻物や写真、実物で展示している。


 
珈琲物語(UCCコーヒー博物館) 放送日 10月26日(火)
UCCコーヒー博物館 1987年にUCC上島珈琲株式会社が、創業者の上島忠雄の喜寿を記念して開設した博物館である。外観は、コーヒーが最初に広まったイスラムのモスク(寺院)を像り、ユニークな形をしている。
 「コーヒーのある豊かな暮らし」をテーマに、展示内容はコーヒーの起源、栽培、流通、加工、文化(楽しみ)、何でもスクール(コンピューターによる学習)などがあり、随時コーヒーにまつわる講演や映画、音楽などのイベントも催される。
 また、コーヒーに対する学術の光を当てる研究も行われている。

マイセン窯のコーヒーカップ
 コーヒーは13世紀にイスラム圏に広まり、17世紀にヨーロッパ、アメリカ、日本の長崎などに伝わった。1630年にイギリスのロンドンにコーヒーが伝わったとき、たちまち3000軒のコーヒーハウスが出来たと伝えられる。オーストリアのウイーンで1683年トルコとの戦争があり、トルコ兵の退散時の遺留品であるコーヒーを使って、カフェを開店したのが始まりと伝えられる。ウイーンのカフェは、オーストリア文化人の重要な拠り所となっている。18世紀にコーヒーの苗木がブラジルに伝わり、南米でも栽培されるようになった。
 日本では明治20年、東京上野に初の喫茶店「コーヒー茶館」が開店した。日本で本格的にコーヒーが普及したのは第2次大戦後である。


 
あかりの浪漫(神戸らんぷミュージアム) 放送日 10月27日(水)
ねずみ短けい(油を多く貯蔵し長く灯火を保つよう工夫した灯火器)  旧北野ランプ博物館を受け継ぎ、関西電力が神戸市中央区の京町、旧居留地跡のクリエイト神戸の2Fと3Fに開設した灯火器の変遷を知る、あかりの博物館である。
 日本では江戸時代の灯りとして一般的であった菜種油による行灯から、明治になってより明るい石油のランプに代わり、明治20年頃にはランプが全国に普及していたと考えられる。そして、明治30年頃には再びガス灯や電灯にとって代わられて行く。電球も明治12年にエジソンの発明したカーボンのフィラメントが明43年にアメリカで、より明るく切れにくいタングステンフィラメントに改良された。日本でも明治44年、東京電気で初めてタングステン電球が製造されて、電灯は飛躍的に普及して行く。

石油ランプのいろいろ 展示は灯りの起源である松明やかがり火から、灯りを点すための知恵や、ろうそくの灯り、ガス灯、電灯へと進み、色々な灯火器具のほか、映像なども駆使して、多彩な印象を与えてくれるようになっている。


 
郷愁の甘味(グリコピア神戸) 放送日 10月28日(木)
昭和6年の、映画も見られる自動販売機(復元品) この博物館は「食べる事と遊ぶ事は子供の2大天職である」との江崎グリコの創業者の企業哲学を実現した施設である。
 ここではグリコ製品の製造工程を見学し、映像や展示を通じて製品に対する理解を深めてもらうのが狙いであるという。見学には必ず予約が必要。
 展示フロアーでは大正11年の創業当時のパッケージやハート形キャラメルの型押しローラー、豆広告などの展示でこの会社の歴史を知ることが出来る。
 面白いのは昭和6年に作られた自動販売機。10銭銅貨を入れると短い音声付映画が見られキャラメルも買えて2銭のおつりが貰えるという機械で、東京に設置されて大変な人気を呼んだと言われている。現在2台が復元され、そのうちの1台がここにある。

チョコレートをはじめて人類に紹介した神・ケッツアルコアトル(複製)チョコレートの展示では映画でチョコレートの歴史を学び、ミュージカルや映像を駆使した冒険ファンタジーで楽しくお菓子の世界を体験できる。
 何よりもグリコの名前を有名にしたのは「一粒300メートル」というキャッチフレーズや「おまけ」によって食べる楽しみと遊ぶ楽しみを結びつけた事である。ここでは、おまけの中で特に選んだ800点を年代順に展示している。


 
灘の酒蔵(菊正宗酒造記念館) 放送日 10月29日(金)
菊正宗酒造記念館 神戸・淡路大震災で大被害を受けた灘の酒蔵はその後再建が進み、見学できる酒蔵も数ヶ所になった。菊正宗酒造記念館は1999年1月に再建が成り、再オープンした。

古い酒造りの道具酒造りを精米から見学でき、酒造りの道具や過程を学ぶ施設で、昭和初期の酒造りの映像やポスター資料さどをたっぷりと見る事ができる。特に、古い酒造りの用具である、国の重要有形民俗文化財「灘の酒造用具」を文化財収蔵庫に収蔵しているのが見られる。
 館内には利き酒コーナーや販売コーナーもあり、ここだけのオリジナルな酒も求める事ができる。


あ   し
 竹中大工道具館         JR,阪神の元町駅北へ10分、JR、阪急三宮駅西北へ18分。兵庫県庁裏、相楽園の東。
 UCC珈琲博物館         JR,阪急、阪神の三宮駅からポートライナーで南公園駅下車北側すぐ。
 神戸らんぷミュージアム     JR,阪急、阪神の三宮駅南の居留地跡、京町のクリエイト神戸2F,3Fにある
 グリコピア神戸(要 予約)    神戸市営地下鉄、西神中央下車、市バス高塚台2丁目か1丁目下車、
 菊正宗酒造記念館        阪神魚崎下車、徒歩7分。JR住吉から六甲ライナーで南魚崎下車、徒歩2分
みどころ
 竹中大工道具館の近くには相楽園庭園内に異人館旧ハッサム邸と旧小寺邸厩舎、姫路藩主御座船など。
 コーヒー博物館近くには、神戸ポートピアランド、ポートピア北公園に、みなと異人館、神戸市立青少年科学館。
 神戸ランプミュージアムの近くには神戸市立博物館、居留地15番館(旧アメリカ領事館、現在はカフェ&レストラン)。メリケンパークに神戸海洋博物館、海岸通りに神戸華僑歴史博物館。神戸港から各種クルージングも楽しめる。
 グリコピア神戸の近くには、神戸市立農業公園(ワイン城)
 菊正宗酒造記念館近くには、白鶴酒造資料館、神戸酒心館(福寿)、こうべ甲南・武庫の郷(甲南漬け)。六甲アイランドに渡れば、神戸市立小磯良平記念美術館、神戸市立ファッション美術館。
味・土産
 中華料理(南京街ほか)、西洋料理、エスニック料理、和食など神戸はおいしい食の宝庫。
 神戸牛肉、洋菓子、パン、
 神戸ファッシヨンの様様なアイテム、靴、神戸家具。
問い合わせ先
 兵庫県観光連盟          078−361−8086
 竹中大工道具館          078−242−0216
 UCCコーヒー博物館       078−302−8880
 神戸らんぷミュージアム     078−333−5310
 グリコピア神戸          078−854−1029
 神戸海洋博物館         078−391−6751
 菊正宗酒造記念館        078−854−1029
 神戸市立青少年科学館     078−302−5177
 神戸市立小磯記念美術館    078−857−5880
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◆歴史街道とは

     日本の歴史の舞台を尋ねながら、日本文化の魅力を楽しみながら体験できる
ルートのことです。
     伊勢・飛鳥・奈良・京都・大阪・神戸の歴史都市を時流れに沿ってたどるメインルートと地域の特徴を活かした8本のテーマルートが設定されています。

 

@・・・ひょうごシンボルルート   
A・・・丹後・丹波伝説の旅ルート
B・・・越前戦国ルート              
C・・・近江戦国ルート              
D・・・お伊勢まいりルート         
E・・・修験者秘境ルート           
F・・・高野・熊野詣ルート         
G・・・なにわ歴史ルート           

    歴史街道計画では、これらのルートを舞台に
  「日本文化の発信基地づくり」
  「新しい余暇ゾーンづくり」
  「歴史文化を活かした地域づくり」
を目指し,
    官民188団体によりソフト・ハード両面の事業が推進されています。

◆歴史街道テレフォンガイド

     テレビ番組「歴史街道〜ロマンへの扉〜」と連合した各地の歴史文化情報を提供しています。
                  TEL:0180−996688    約3分 (通話料は有料)

 

◆歴史街道倶楽部のご紹介

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歴史街道推進協議会