月〜金曜日 18時54分〜19時00分


放送開始15周年記念

歴史街道〜ロマンへの扉〜 ファン感謝の集い

2009年3月25日(水)

合計500名様を無料でご招待!
応募方法はこちらから⇒


大阪市 大阪のおやつ

 食い倒れの大阪にはおいしいお菓子も多い。それぞれ大阪名物として、みやげものや贈答用に使われているが、気軽におやつとして口にすることができるのもうれしい。こうした気取らず、おやつにもなる庶民的なお菓子を探してみた。


芸の町のこの逸品・
文楽せんべい
放送 2月23日(月)
 文楽は平成15年(2003)ユネスコの世界無形遺産に指定された世界に誇る大阪の伝統芸能。大阪市生野区新今里の「菓匠・文楽」は、文楽人形の首(かしら)を刻印した大阪名物「文楽せんべい」を、約60年前から作り続けている。

 終戦まもない昭和20年(1945)ごろ初代当主・福本武一さんが、試行錯誤の末に完成させた「せんべい」に、画家の仙波久栄さんが描いた文楽人形の首を焼きつけて「文楽せんべい」が登場した。


菓匠文楽

(写真は 菓匠文楽)

「焼印の原画」仙波久栄画


 福本さんは材料の品質にこだわり、安易な妥協を許さなかったので「せんべい1枚あたりのコストは日本一高かったのではないでしょうか」と、現当主・村上信さんの夫人で福本さんの長女・佳世子さんはせんべい作りに打ち込んでいた父の姿を振り返っている。

 創業当初は大阪・ミナミの三津寺筋に工場があったが、昭和33年(1958)に現在地に移転した。今里は文楽の大夫や人形遣い、三味線奏者らが大勢暮らす町だったのもこの地への移転のきっかけになった。

(写真は 「焼印の原画」仙波久栄画)


 せんべいの生地には添加物を一切使わず、玉子の卵黄、小麦粉、砂糖、蜂蜜をゆっくり練り合わせて作り、一夜寝かせて鉄板で丁寧に手焼きし、焼きあがったせんべいに文楽人形の首をくっきりと焼きつけてできあがり。

 サクサクとした食感、口の中でやさしく溶けてほんのりとした甘さが余韻として残る文楽せんべいは、おいしくて見た目も楽しく大阪みやげにも喜ばれている。国立文楽劇場での幕間に文楽ファンが観劇みやげとして持ち帰り、文楽ファン以外の人たちにも賞味されて人気を呼ぶようなっている。

文楽せんべい

(写真は 文楽せんべい)


下町グルメの決定版・
あべのポテト
放送 2月24日(火)
 JR天王寺駅から南下する阿倍野筋は車、路面電車、アーケード下の商店街を往来する人たちでにぎわう道で、今、この一帯では再開発事業が進みつつあり、将来は近代的な新しい町に生まれ変わろうとしている。

 この阿倍野筋を走る阪堺電車上町線の阿倍野駅前にある「嶋屋」は、こじんまりとしたたたずまいだが、店頭には焼き芋、芋ポテト、芋けんぴなどが所狭しと並ぶ芋菓子の専門店。戦後まもない時に焼き芋屋として商売を始めて以来、さつまいも一筋で営業を続けてきた店である。

嶋屋

(写真は 嶋屋)

嶋屋のさつま芋


 嶋屋の芋菓子の中でもひと際人気が高いのが名物「あべのポテト」。店の前は常にポテトを揚げるいい匂いが漂い、行き交う人びとはこの匂いに誘われて足を止める。今は店売りだけでなく、ネット注文に応じて北海道、東北、沖縄を除く全国各地へも宅急便で配送しているほどの人気商品になってきた。

 「あべのポテト」の芋は、芋菓子にほどよい糖分、ホクホク感が味わえる硬さを持った芋を、鹿児島県の桜島を望む錦江湾一帯の嶋屋農園や契約農園で栽培し、色や艶、糖分、水分のバランスが取れたた一級品ばかり。

(写真は 嶋屋のさつま芋)


 芋のあく抜きの水は地下水、揚げ油は食用油の王様と言われ、風味の優れた綿実油を使い、約20分かけてじっくりときつね色に揚げる。この揚げ加減に開業以来60年の嶋屋の伝統の技が秘められている。揚げたてのあつあつの芋に、氷砂糖で作った自家製の蜜をからめると黄金色に輝くポテトができ上がる。

 冷たい蜜に揚げたてのさつまいもを入れると温度差で一気に蜜を吸い込み、おいしいポテトに仕上がる。温かくても冷めてもおいしいあべのポテトは、一度口にすると病みつきになるおやつ。

ポテト

(写真は ポテト)


こどもの味方・元気な駄菓子 放送 2月25日(水)

 大阪市平野区の商店街を元気な子供たちが駆けて行く。向かう先は全興寺(せんこうじ)。この全興寺は平野郷がまだ原野だったころ、聖徳太子が薬師堂を建立して薬師如来像を安置したのが始まりで、その薬師堂を中心に人が住みはじめ、町に発展したのが平野郷だと伝わっている。

 由緒ある古い寺だが、境内には庶民的な雰囲気が漂う平野の町の象徴的な存在で、大阪府下では古い木造建築のひとつにあげられている。
平野の商店街

(写真は 平野の商店街)

全興寺


 本堂の横には日曜日、祝日に開館する「小さな駄菓子屋さん博物館」が子供たちの目当て。昭和20〜30年代(1945〜64)に町の駄菓子屋さんに並んでいたけん玉やメンコ、ラムネの瓶、菓子のパッケージ、おもちゃの飛行機、日光写真、着せ替え人形、アクセサリーなど、懐かしいおもちゃが狭い館内に所狭しと展示されている。昭和25年(1950)ごろのパチンコ台もあり、子供たちの人気を集めている。

 これらの展示物は住職の川口良仁さんが趣味で集めていたものを中心に展示、町の人たちも私物を持ち寄りその数は500点にもなった。

(写真は 全興寺)


 テレビゲームに慣れ親しんでいる現代っ子には新鮮なおもちゃに思え、目を輝かせて見たりさわったりしている。お父さんたちには昔懐かしいおもちゃで、子供たちと一緒にワクワク気分のひとときを過ごしている。

 境内の一角の路地ではベーゴマ、けん玉、コマ回し、皿回し、おはじき、お手玉、まりつき、ゴム飛びなど、昭和時代初めから戦後にかけての遊びを子供たちが楽しんでいた。ここでは駄菓子も売られ、遊びの合間に子供たちは好みの駄菓子を食べ、再び遊びに夢中になっていた。

駄菓子屋さん博物館

(写真は 駄菓子屋さん博物館)


元祖大阪名物・粟おこし 放送 2月26日(木)

 新しい名物を生み出す土地柄の大阪で、誰もが認める大阪名物のひとつが「粟おこし」。奈良時代に飯を乾燥した糒(ほしい)を蜜で固めて神に捧げ、豊作を祈願したのが「おこし」の起源とされている。

 平安時代に出された日本で最初の漢和辞書の和名抄にも「おこし」が記載されているほど、古い歴史を持った菓子である。「身を起こす」「家を起こす」「国を起こす」などにつなげ、縁起のよい菓子としても人気が寄せられていた。
九条キララ商店街

(写真は 九条キララ商店街)

総本家とらや


 古くから親しまれている粟おこしの包装紙の「梅鉢」の紋は、太宰府に配流になった菅原道真が大阪に立ち寄った際、土地の人びとが道真を慰めようと粟の実を飴で固めた品を献上、喜んだ道真が自身の紋「梅鉢」を与えたとのいわれが由来となっている。

 大阪市西区九条南の「とらや」は、大正7年(1918)創業の粟おこしの老舗。店内には創業以来のロングセラーの「黒ゴマ入り粟おこし」のほかに「ピーナッツおこし」「ミニおこし」などのいろいろなおこしが並んでいる。

(写真は 総本家とらや)


 おこしの製法は大釜で炊かれた飴に細かく割った米を膨らませた米粉、生姜、ゴマなどを入れて混ぜ合わせる。柔らかいうちにローラーで帯状に伸ばし、商品サイズに切って乾燥させる。仕上げは湿気を防ぐために銀紙で包み、さらに梅鉢紋の上包み紙でひとつひとつ丁寧に包装してできあがり。

 この伝統の粟おこしの味は「とらや」の身内の3人の女性の手作りで守り伝えられている。素朴で自然な飴の甘さ、カリッとした歯応えのある硬さなど、粟おこしの独特の持ち味が根強い人気を支えている。

粟おこし

(写真は 粟おこし)


十三の甘い香り・みたらし団子 放送 2月27日(金)
 大阪の歓楽街のひとつ、十三の商店街にある「喜八洲(きやす)総本舗」は、昭和23年(1948)創業の和菓子の名店。喜八洲の屋号は創業時に「菓子業で八洲(日本中)の皆さんに大いに喜んでいただこう」との意味合いで名付けられた。

 大きな看板が目を引く店先には酒饅頭を蒸す湯気が立ちのぼり、みたらし団子を焼く香ばしい香りが漂う。店内にはきんつばやおはぎ、焼き餅などおやつに最適な和菓子が並んでいる。

喜八州本舗

(写真は 喜八州本舗)

みたらし団子


 創業当時の主役だった酒饅頭を押しのけて「みたらし団子」が今は一番の人気商品。どちらかと言えば年配向きの菓子の酒饅頭に比べ、みたらし団子は大人から子供まで、男女を問わず幅広い層に好まれ人気が高まった。

 喜八洲ではお客さんの注文を受けてから団子を焼き、焦げ目がついたら自家製のたれにくぐらせる。とろりとしたたれが絡んだみたらし団子は、気取らずに食べられ、店頭でほほ張る人もいる。このおいしさを味わった人は、さらに注文して一気に数本食べて幸せそうな表情を浮かべる。

(写真は みたらし団子)

 喜八洲の特製のたれは北海道産の昆布で取った旨味たっぷりのだしに、たまり醤油、砂糖を加え、葛でとろみをつける。みたらし団子はたれが決め手で、それぞれの店によって秘伝の味がある。みたらし団子は買ってから2〜3時間以内なら電子レンジで温めてもおいしくいただけるとのこと。

 みたらし団子は平安時代に京都・下鴨神社の境内にある御手洗(みたらし)社前の、御手洗池から湧き出る水玉を形取って作られたのが始まりと伝えられている。

みたらし団子のたれ作り

(写真は みたらし団子のたれ作り)


◇あ    し◇
菓匠・文楽(文楽せんべい)近鉄大阪線、奈良線今里駅下車徒歩10分。 

嶋屋(あべのボテト)JR天王寺駅、地下鉄天王寺駅下車徒歩5分。 
近鉄阿部野橋駅下車徒歩5分。

全興寺(小さな駄菓子屋さん博物館)地下鉄谷町線平野駅下車徒歩12分。 

とらや(粟おこし)JR環状線西九条駅下車徒歩10分。 
地下鉄中央線九条駅下車徒歩10分。

喜八洲総本舗(みたらし団子)阪急電鉄十三駅下車すぐ。 


◇問い合わせ先◇

菓匠・文楽(文楽せんべい)06-6752-6356 

嶋屋(あべのボテト)06-6621-7167 

全興寺(小さな駄菓子屋さん博物館)06-6791-2680 

とらや(粟おこし)06-6583-4024 

喜八洲総本舗(みたらし団子)06-6301-0001 



放送開始15周年記念
歴史街道〜ロマンへの扉〜 ファン感謝の集い


日時:3月25日 水曜日  15時と18時30分の2回
場所:朝日放送 ABCホール 大阪市福島区福島1-1-30

    各回250名のファンを無料でご招待します。

申し込みはお葉書で次の住所までお送りください。

あて先:530−8693 私書箱449号  「歴史街道イベント」係

ハガキに郵便番号・住所・氏名・年令・同伴者の氏名(いれば1名まで)
希望時間 15時 または 18時30分の回 必ず書いてください。
締め切りは3月12日必着とします

抽選で各回250名の方をご招待いたします。

パーソナリティ:道上洋三、秋吉英美




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