本町奉行所の見廻り同心・渡辺小五郎(東山紀之)と妻のふく(中越典子)は、「後妻(うわなり)打(う)ち」をきっかけに夫婦ゲンカになり、ふくは家出してしまうことに。
折も折、夫から逃れた妻たちが駆け込む「縁切り寺」で、住職と女たちが斬り殺される事件が起こる。妻の家出中とあって「もしや」と案じて寺へと急ぐ小五郎だが……。
同じ頃、江戸の町に、夫婦で裏稼業を営む夫婦(めおと)仕事人がやってくる。“瓦屋の陣八郎” (遠藤憲一)と“泣きぼくろのお宮” (山本美月)だ。偶然、街角で陣八郎とお宮に出会った小五郎に対し、二人を知るお菊(和久井映見)は、「あいつらとだけは関わるべからず」と忠告する。ところが、遊び人で博打好きの陣八郎は、今度は遊郭で開かれた博打で経師屋の涼次(松岡昌宏)と出会ってしまうことに。
そんな矢先、縁切り寺の殺人事件の下手人らしき男が自殺体で見つかるが、小五郎は事件の背後に陰謀の匂いを感じ取る。しかし、寺の管轄は寺社奉行ということもあって、与力の増村倫太郎(生瀬勝久)はこれ以上の捜査には及び腰だ。
事件からまもなく、寺社奉行の江田島兼良(中丸新将)の鶴の一声で、坊主の燕天(竹中直人)が寺の住職に就任する。もともと寺の跡継ぎとして修業をしていた経験のあるリュウ(知念侑李)は、新しい寺の様子に違和感を覚える。
何事もなかったように女たちの受け入れが始まった縁切り寺に、今日もお市という女(田中美奈子)が、娘のみさと(宮武美桜)とゆい(宮武 祭)を連れて駆け込んできた。だが、寺の背後では、女たちの弱みにつけ込んで食い物にしようとする陰謀が蠢いていたのだった……。