横山幸雄 入魂のショパン 全125曲リサイタル 第3回
[ピアノ]横山幸雄
日時 |
2013年7月27日(土) 18:00 開演 17:30 開場 |
---|---|
会場 | ザ・シンフォニーホール |
料金 | 3公演セット券 7,500円(全席指定) 各1回券 3,000円(全席指定) ☆ 3公演セット券は、ABCチケットセンターのみでの販売となります。 ☆ 3公演セット券は、全公演とも同じお席でお取りします。 ※第1回、第2回公演終了後、一度全てのお客様に客席から退場していただくことになります。尚、セット券をお持ちのお客様に限り、客席外の館内にご滞在いただくことが可能です。 |
一般発売日 | 2013年2月24日(日) |
優先予約日 | 2013年2月22日(金) |
プログラム | 【第3回】 18:00〜22:30 即興曲 第1番 op.29 即興曲 第2番 op.36 即興曲 第3番 op.51 幻想即興曲 ノクターン 第19番(遺作) ノクターン 第20番(遺作) ノクターン 第1番 ノクターン 第2番 ノクターン 第5番 ノクターン 第8番 2つのノクターン op.48 2つのノクターン op.62 スケルツォ 第1番 op.20 バラード 第1番 op.23 スケルツォ 第2番 op.31 バラード 第2番 op.38 スケルツォ 第3番 op.39 バラード 第3番 op.47 バラード 第4番 op.52 スケルツォ 第4番 op.54 ピアノ・ソナタ 第2番「葬送」 op.35 幻想曲 op.49 子守歌 op.57 舟歌 op.60 ピアノ・ソナタ 第3番 op.58 |
お問い合わせ先 | ABCチケットセンター 06-6453-6000 |
横山幸雄さんが語る!!
「入魂のショパン」徹底解説!!
横山さんにとってショパンとは?
ショパン・コンクールを受けるまでは、何人かいる好きな作曲家の1人でしたけど、コンクール以降は、最も大事な作曲家になりましたね。自分のライフワークのように追及できる作曲家がいたらいいなと思って、20代の頃から7年にかけて全曲演奏会をしました。僕も作曲しますけど、今やショパンを弾いているときの方が自由で、自分の作品の方が必死に弾いてるみたいな感じで、僕がショパンなんだか、ショパンが僕なんだか、よく分からないくらいですね(笑)。
ショパン全曲リサイタルを始められたきっかけは?
有名な曲ばかり弾いていても飽きてしまうので、ショパンの全貌を見たいなということで全曲演奏会をやったんです。ショパン没後100年の1999年に完結するように計画を立てたんですけど、年代順に並べていたので、初期の頃の作品なんて忘れている部分もあって、もうちょっと短期間で自分の中で1人の作曲家を消化したいなと。1ヶ月おきとか1週間おきとかになると、来られない日も出てくると思うんですけど、1日でやれば、丸1日空けてくれる人が出てくるんじゃないかなと思って、でも皆にそう言ったら絶句して、バカにされて相手にされず(笑)。
きっかけは2005年頃、ジャパン・チェンバー・オーケストラと録音したベートーヴェンのピアノ協奏曲全5曲のCD発売に併せて、演奏会をする話になったんです。2日に分けて全曲を演奏するとか、第4番と第5番だけ演奏するとか、いろいろな意見はあったんですけど、3時間半くらいかけたら1日で出来ると!実際やってみると、第3番くらいから演奏会特有の緊張感がなくなって、作曲家と音楽と自分たちと聴衆以外の余計なものが排除されてきたなという感じがしたんです。「皇帝」を弾いているときなんて、このまま終わらなければいいと思うくらいで。
それで2010年のショパン生誕200年記念のときに「1日で全曲どう?面白そうじゃない?」と提案したら、今度は乗ってくれる人がいて、やってみるとベートーヴェンのときと同じような一体感とか高揚感が得られましたね。
ステージではピアノも毎回状態が違いますし、そんな久しぶりのピアノから始まって、本番で2時間くらい弾くことでようやく(その日のピアノを)自分のものにできる。すると僕もお客様も余計な緊張感が無くなって、その一体感、高揚感みたいなものが、こういう全曲演奏会のポイントになるんでしょうね。
通常のコンサートとの違いは!?
基本は一緒ですね。さすがにお腹は空きますけど。2年目の全212曲リサイタルでは、前日の夕食が最後の食事なので、24時間以上は食べてない感じで(笑)。途中で疲れちゃったりしないように、イメージトレーニングはしていますね。リハーサルを全部やると大変ですから、それがリハなんですよ。ほとんど頭の中での勝負ですね。
今回の「入魂のショパン」の聴きどころ!!
第1回は、ショパンが地方都市の天才少年からから本当の天才芸術家へ上り詰めているときの作品を並べました、特に協奏曲は音楽家にとっては最大のビッグステージで、サロンで“ちょっといいね”と言われているのとは違う世界でショパンも認められたいと思って書かれた作品です。祖国ポーランドと別れを告げる作品でもあり、聴かせる要素が多いのが第1回ですね。
第2回は、ショパンにとって重要な舞曲、民族舞踊のマズルカ、ポロネーズ、ワルツが並ぶ舞踏会なんです!中でも今回はマズルカでウェイトを占めたいなと思いました。マズルカは人に聴かせるために書いたんじゃなくて、祖国を思うショパンの内面の日記や詩のような気がしますね。賑やかなパリで楽しく過ごすんだけど、家に帰って孤独な中で、自分自身の内面を吐露するような感じでしょうか。
それに対して、ポロネーズは同じポーランドのリズムを使いながらも、民族の悲劇性と力強さというものを表現しようと書いた作品です。「英雄ポロネーズ」は、第5番のポロネーズの悲劇性を乗り越えた先の力強さを、そして最後に到達した世界が本当に空想の世界に行っているような「幻想ポロネーズ」。マズルカ、ポロネーズと共に、ショパンの人生をもう一度見てもらいたいですね。
第3回は、即興曲のような少し軽い作品から入って、スケルツォ、バラードに、やっぱり夜ですので、ノクターン(夜想曲)を並べました。
ひとしきりショパンの人生を辿っていただいて、協奏曲以来、気合を入れて書いた実質第1番であるソナタ第2番「葬送」。第3番のソナタで終わるのは、今年初めての試みですね。パリで活躍していたショパンの、どちらかというと民族色が無い作品です。もちろん曲の中にポーランド的な要素もありますけど、比較的西洋の伝統的な様式に則った、構築感のハッキリした作品ですね。
多くの作曲家が西洋音楽の伝統から基礎が出来上がってやってきたのに対して、ショパンは出発点が民族音楽なんです。後の作曲家にもそういう人はいますが、もっと土着的で洗練されきれないところがあるんですけど、ショパンの場合は誰が聴いてもインターナショナルなテイストでの洗練と、ポーランド民族の持っている悲劇性みたいなもの、素朴な部分と、そういった両面のバランスが素晴らしいと思います。
ピアノ協奏曲《独奏版》とは!?
今でこそたくさんのオーケストラがありますが、昔はなかなかオーケストラを集めることが出来なかったので、ショパンも気合を入れて協奏曲を書いたと思うんですが、当時の人達はショパン自身の独奏で聴いていることのほうが多かったはずなんですね。
たぶんショパンが1人で演奏するためのピアノ独奏バージョンであり、オーケストラに編曲するためのメモみたいなものだと思います。完全にピアノ1台で弾くために纏められたものではないので、全部弾こうとすると手が足らないというところがいっぱいあって、その辺は一番効果的なように若干アレンジしています。
独奏版とオーケストラ版とは、違うハーモニー、違うリズムがいっぱいあるんです。オーケストラ版に変更した方が綺麗なハーモニーに聴こえるところがあったり、ショパンのオリジナル独奏版を元に、もう一度僕がピアノ独奏用に少し手を入れているという感じですね。
同じようなメロディでもオーケストラが弾いている部分っていうのは、明らかにオーケストラを彷彿とさせるような部分がたくさんあって、いかにオーケストラ的な響きも出せるかというところを聴いていただきたいですね。
ピアノ独奏部分を弾ききったら、今度はオーケストラの役割もしないといけなくて、そこが難しいですね。ここでちょっと休憩って出来ないですから(笑)。
横山さんのお好きな曲は?
難しいですね〜。どの曲にも愛着がありますからね。
ただ僕が子供の頃から凄く好きだったのが第2番の協奏曲だったんです。実は独奏版の楽譜がショパンのオリジナルという形で出たのが2010年の生誕200年のときなんです。第2番って、第1番と比べてオーケストラと演奏する機会が圧倒的に少ないんです。独奏版が世の中にもう一度見直されるようになって、僕にとっては自分の好きな作品がいつでも弾けるようになりましたね。
7月のリサイタルに向けて!
ザ・シンフォニーホールは、一番遠いお客様でも表情が見えるくらいの距離が好きですね。音の響きという点で、やりたいことが薄まらずに届いているだろうなと思います。
初めて登場したのが1991年4月で、めちゃめちゃ緊張しましたよ。たまたま生まれもって、緊張しているような顔をしていないだけで、今でも凄く緊張します(笑)。でも昔は得体のしれない緊張感でしたが、最近は期待に応えたいという緊張感ですね。
このところ4大コンチェルトをはじめ、大阪のお客様には時をおかずにいろいろな形で演奏を聴いていただいているので、今回はぎゅっと凝縮したショパン、1日で聴きうるショパンのいろいろな顔を感じていただきたいなと思います。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
今回はピアノ協奏曲のピアノ独奏も!ショパンの人生を辿る真夏の夢の1日!!
横山幸雄 入魂のショパン 全125曲リサイタル
ショパンの人生における成熟を、私たちの1日の流れに重ね合わせて感じていただきたい・・・
あの夏の感動が蘇る!!ショパンが遺したピアノ・ソロ全166曲を、2日間にかけてお届けし、ザ・シンフォニーホールが“ピアノの詩人”ショパンの世
界に染まった「横山幸雄ショパン全曲リサイタル」。最後の「幻想ポロネーズ」が響き終わった後は、えもいわれぬ充足感と、終わってしまう寂しさで、これまでのコンサートでは味わったことの無いような深い感動に包まれたのでした。
“24時間で最も多いショパンの曲を弾いた人”としてギネスに認定され、4大協奏曲公演でも破格の演奏を披露した鉄人ピアニスト横山幸雄さんが、今度は、1日でショパンのドラマティックな人生を辿ります!題して、「横山幸雄 入魂のショパン」!「別れの曲」「革命」で有名な“練習曲op.10”から始まる今回もまた、ショパンの遺した素晴らしい作品が、ずらり全125曲並ぶ“大リサイタル”となりました!!
まず<第1回>は、ショパンの青春時代の作品が並び、爽やかなショパンの朝をお届けします。中でも注目は「ピアノ協奏曲」のピアノ独奏。「第1番」「第2番」2曲を全楽章通して、ピアノ1台で描きます!
<第2回>は、ワルツやマズルカに、「英雄ポロネーズ」「幻想ポロネーズ」と、真夏のお昼にふさわしい華麗なるショパンの世界へとお連れいたします。
そして、暮れ行く夕日と共に始まる<第3回>は、夜の始まりを告げるノクターンや、バラード、スケルツォに、晩年の作品「舟歌」「ピアノ・ソナタ第3番」など、深遠なる境地に達した円熟の作品が並んだ、ショパンの魅力をダイレクトに感じて頂けるラインナップとなりました!普段なかなかコンサートでは聴けないショパンの隠れた名曲たちにも出逢えるのも楽しみです!
ショパンと共に一日を過ごす。夏の薫りの中、日々の喧騒を忘れ、たっぷりとショパンの名曲を味わいつくしてみてはいかがでしょう!?今年も皆さん一緒にショパンの人生を旅しましょう!!