｢春｣と｢クロイツェル」〜大人のデュエット〜
千住真理子＆横山幸雄　デュオ・リサイタル


季節の折々にさまざまな趣向をこらして、ヴァイオリンの演奏とお話を聴かせてくれる千住真理子さん。2011年に2日間でショパンの作品全166曲、そして2012年には丸1日で《ピアノ独奏版》協奏曲2曲を含む全125曲を演奏し、聴く者を驚嘆させた横山幸雄さん。
その2人による夢のようなコラボレーションが、6月ザ・シンフォニーホールで実現します。
メインとなる演奏曲目は10曲あるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの中でも、とりわけ人気の高い第5番「春」と第9番「クロイツェル」です。
ヴァイオリン・ソナタと聞くと、現代人の私たちは、ともすればピアノ伴奏付きのヴァイオリン曲ぐらいのイメージで捉えがちですが、ベートーヴェン以前の古典派においては、どちらかと言えば、ヴァイオリン助奏付きのピアノ・ソナタのことでした。
そうしたヴァイオリン・ソナタ（原語ではクラヴィーアとヴァイオリンのためのソナタ）におけるヴァイオリンの比重を高め、2つの楽器が対等に渡り合うようにしたのがベートーヴェンであり、出版された「クロイツェル」の表紙には?ほとんど協奏曲のように、きわめて協奏曲風に書かれた?と記されています。
ヴァイオリンとピアノがお互いを引き立て合い、共に主役として活躍する作品を共演するのに、千住さんと横山さんと、何というピッタリな顔合わせでしょう。贅沢なのに堅苦しくない、そんな大人のデュエットをどうぞお楽しみください。