大阪を再訪するヨーヨー・マ、シルクロード・アンサンブルと共に　

　ヨーヨー・マがシルクロード・アンサンブルを率いて大阪を再訪する。今年は、シルクロード・アンサンブルの結成十五周年でもあり、多くの新曲と新たなメンバーを加えての訪問だ。
　大阪ザ・シンフォニーホールで過去に公演を行ってきたヨーヨー・マは、その印象を「世界でも最も偉大なコンサート・ホールの一つ」と賛辞を惜しまない。特に、エマニュエル・アックスとアイザック・スターンとの共演は、「今でも思い出深い公演として思い出す」といい、「あの公演では、最初から最後までが凄かった。我々三人の演奏が一つの音楽へと昇華された。あの時、我々は別次元へ飛んでいってしまったような感覚さえ覚えた」とその特別な体験を思い出すと今でも興奮ぎみに語る。
　その?特別な場所であるザ・シンフォニーホールで披露されるのは、日本人パーカッショニストの藤井はるかの曲もフィーチャーした新たな《シルクロード組曲》を始めとする、アジア全域の音楽文化を体験できる素晴らし曲ばかり。また、日本文化にも精通しているヨーヨー・マは、今回の選曲を、単なる観光的なハイライトではなく、「各国の文化の共通性と文化の流れを辿る旅。例えば、ジェイコブセンの《アタシュガー》はイランのゾロアスター寺院に触発された曲だが、これは奈良、東大寺の?お水取り?にも通じる」というように説明する。
　コンサートでは、長年、シルクロード・アンサンブルの一員として加わってきた尺八の梅崎康二郎の曲も披露される。「二十一世紀的感覚も持ち合わせている、伝統に裏付けられた技術と知識にはいつも感服！」とヨーヨー・マも絶賛する梅崎の新曲《サイド・イン・サイド・アウト》でエキサイティングなステージになる筈だという。
　アラブ、クルド、イラン、イスラエル、インド、中国、日本、それに世界各国にルーツを持つアメリカ人など多彩なアーティストと楽曲が、コンサートに集う。まさに、２１世紀のシルクロードの旅を体験できるコンサートだ。

文：山田真一


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世界最高のチェリスト、ヨーヨー･マ　降臨！
ヨーヨー･マ＆シルクロード･アンサンブル

ザ・シンフォニーホール開館30周年の2012年にリサイタルで登場し、どこまでも深く豊かな音色を響かせた現代最高のチェリスト、ヨーヨー・マ。一生に一度は聴いてみたいクラシック界のスーパースター、ヨーヨー・マが、世界中の国々から集まった様々な楽器の腕利き奏者たちの楽団シルクロード・アンサンブルと共に来日します！
ヨーヨー・マ自身のライフワークともしているシルクロード・プロジェクト。古代の交易路シルクロードに今も息づく民族音楽を発掘し、現代の楽器や奏法のコラボレーションで、音の文化遺産を世界に発信する試みとして、全世界で感動を与え続けています。中国琵琶、ケマンチェ（イランの弦楽器）、尺八などのシルクロードを舞台に文化を育み続けた民族楽器の響きに、ヨーヨー・マのチェロやヴァイオリン等が加わった、まさに、悠久の時空を体感するサウンド！
世界で最も美しいヨーヨー・マの音色が紡ぎだす国境を超えた究極の音楽のハーモニーを存分にお楽しみください！