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公演情報

モスクワ国立交響楽団

[指揮]パヴェル・コーガン
[ピアノ]ダニール・ハリトーノフ
[管弦楽]モスクワ国立交響楽団

日時 2016年2月11日(木) 14:00 開演 13:00 開場
会場 ザ・シンフォニーホール
料金 A 12,000円 B 10,000円 C 8,000円 D 6,000円
一般発売日 2015年9月27日(日)
優先予約日 2015年9月25日(金)
プログラム グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23
チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 op.64
お問い合わせ先 ABCチケットインフォメーション
06-6453-6000

今、聴ける、最高の状態のチャイコフスキー/ピアノ協奏曲!
〜期待の新星ピアニスト、ハリトーノフの音楽性〜


 10代で頭角を表わす演奏家には、大きく2つのタイプがある。1つはいかにも達者な天才“少年少女”タイプで、もう1つは外面を気にせず“大人”の音楽を追求するタイプ。身近な例をみれば、ヴァイオリンの庄司紗矢香やピアノの小菅優など、後者の活躍がその後際立っているように思える。

 ダニール・ハリトーノフもまさしく後者だ。1998年生まれの彼は、5歳でピアノを始め、僅か7歳でモスクワ・フィルと共演。2013年カーネギーホールにデビュー後は、ドイツやフランスをはじめとする20ヶ国の著名ホールで公演している。そして2015年のチャイコフスキー国際コンクールでは、当時弱冠16歳ながら第3位を獲得した。この経歴は、明らかに“天才少年”たることを示している。しかし2015年11月に東京オペラシティで行われた日本初リサイタルに接して驚いた。それは彼がセンスあふれる“大人”の音楽を聴かせたからだ。
 チャイコフスキー・コンクールで年長者に伍して3位を得るほどだから、テクニックはむろん申し分ない。それ以上に感心したのは、全音域ムラのない音、滑らかなフレージング、抑制の効いた表現、そして確かな構成力である。例えばベートーヴェンの「熱情」ソナタ。彼は、出だしから引き締まった音で耳を惹きつける。序奏から主部に至る表情の移ろいはきわめて繊細。ベテランでさえ荒くなりがちな主部も、コントロールされた音で明確に紡いでいく。全曲を通して弱音は瑞々しく、強音は濃厚だが割れることはない。しかも音楽に即して自然な感情がこもり、勢いや迫力も十分。第3楽章のクライマックスから終結にかけての高揚感が、熱い感動をもたらす。また、リストの「愛の夢」の甘美さも気品をもって表出。「ラ・カンパネラ」も細部まで緻密に描き、聴きなれた楽曲に新鮮な感触を付与する。変化に富んだ「ハンガリー狂詩曲」の構築も見事。これらリストの作品では強靭なダイナミズムの持ち主であることも明示する。この日の演奏を聴いて、彼が、確かな技巧を音楽表現に直結させるピアニストであり、聴衆の心に強く訴えかける音楽家であることを実感した。

 さて、来る2月ハリトーノフは、パヴェル・コーガン指揮/モスクワ国立交響楽団の日本ツアーでソリストを務め、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を披露する。パヴェルは、ロシア・ヴァイオリン界の歴史的大家レオニード・コーガンの子息で、18歳のときシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで優勝しながらも指揮者に転身。37歳でモスクワ国立響の音楽監督に就任し、25年余の佳きコンビネーションを築いている。モスクワ国立響は、1943年に創設され、幾多の名指揮者のもとで成長。パヴェル・コーガンとのコンビで世界的評価を獲得し、国外ツアーを含めて年間100以上の公演を行っている。過去に客演したソリストは、オイストラフ、ギレリス、コーガン、リヒテル、ロストロポーヴィチなど大巨匠がズラリ。ハリトーノフもここに連なることになる。もちろん今回、地元の名コンビのサポートが、心強い味方となるのは言うまでもない。

 チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、同ジャンル史上屈指の人気作。ロシアの民族情趣と西欧的なロマンを併せ持つダイナミックな名曲だ。ハリトーノフにとって最も近しい作品であり、チャイコフスキー・コンクールの本選で弾いているから、仕上がりも完璧であるのは間違いない。それに実は、リサイタルで「熱情」ソナタを聴きながら思ったのが、「彼が弾くチャイコフスキーの協奏曲は、さぞや素晴らしいであろう」だった。「熱情」の振幅の大きな曲調に即したハリトーノフのピアノの質感や表現が、この曲を想起させたのだ。それゆえ今回の日本初披露への期待は限りなく高い。
 チャイコフスキー・コンクールゆかりの協奏曲を弾く本公演は、入賞前に決まっていたという。絶好のタイミングで実現する話題の俊才との出会いを、逃してはならない。

柴田克彦(音楽評論家)

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音楽大国ロシアで創設70年以上の歴史を誇る正統派オーケストラ!
弱冠16歳でチャイコフスキー国際コンクール3位入賞のハリトーノフも登場!

モスクワ国立交響楽団

 旧ソ連を代表する著名な指揮者の1人で、ボリショイ劇場の指揮者として活躍を続けていたレフ・シテインベルグが最晩年の1943年に初代首席指揮者として創設した由緒正しき 
正統派オーケストラ=モスクワ国立交響楽団。
 1989年にパヴェル・コーガンを指揮者に迎え進化を続けるモスクワ国立交響楽団の待望の再来日が決まりました!ザ・シンフォニーホールには1991年、1994年に登場。コーガン指揮でチャイコフスキーやショスタコーヴィチの交響曲を「ド迫力のパワーで大熱演!ホールの聴衆を大いに沸かせた!」との記録が残っています。20年以上の時を超えて名コンビで再び、ロシア音楽の真打ち=チャイコフスキーの「交響曲第5番」が情熱的なロシアン・サウンドで甦ります!
そしてソリストに迎えるのは1998年12月にサハリンで生まれた弱冠16歳にして、既にカーネギーホールでリサイタルを行い、世界各国のオーケストラとも共演を続けるダニール・ハリトーノフ。なんと先日行われた≪チャイコフスキー国際コンクール2015≫のピアノ部門で3位入賞も果たし世界中から改めて注目を集める未来のスーパースターが、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」でザ・シンフォニーホール初登場!
 音楽大国ロシアが誇る偉大なる作曲家チャイコフスキーの壮大なサウンドがザ・シンフォニーホールを包みこみます!

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