さらに深化する若きヴィルトゥオーゾ

牛田智大 ピアノ・リサイタル

　20代半ばにしてヴィルトゥオーゾの風格をまとい始めている牛田智大。ソロ・リサイタルやオーケストラとの共演はもちろん、室内楽への積極的な探求も重ね、さらなる高みを目指して深化を続けています。今回のプログラムでは「オール・ブラームス」という巨城に初めて挑みます。古典的な形式美とロマン派的な表現の深化が共存するブラームス、「3大B」の一人として君臨し続けている作曲家です。牛田智大は、この巨匠の創造物の中から、人生の終盤に作曲したピアノソロ曲を選びました。1892～93年に作曲されたブラームスの傑作群、過ぎ去った人生への想いやすべての感情を内包する深さに満ちています。
　若き俊英が挑む新たな舞台への一歩は見逃せません。自分が求める音楽を模索し、変貌を遂げつつある牛田智大の“今”をぜひ心に刻み付けてください。