聖響/チャイコフスキー選集 第3回
[指揮]金聖響
[管弦楽]関西フィルハーモニー管弦楽団
日時 |
2010年10月31日(日) 14:00 開演 13:00 開場 |
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会場 | ザ・シンフォニーホール |
料金 | A 5,000円 B 4,000円 C 3,000円 (C売切れ) |
一般発売日 | 2009年12月13日(日) |
優先予約日 | 2009年12月11日(金) |
プログラム | チャイコフスキー:スラヴ行進曲 op.31 チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」op.32 チャイコフスキー:交響曲 第6番 ロ短調 「悲愴」 op.74 |
お問い合わせ先 | ABCチケットセンター 06-6453-6000 |
新シリーズの幕開け!常識を覆し、放たれるロシアの響き
聖響/チャイコフスキー選集 全3回
皆さんこんにちは!金聖響です。2010年に再びザ・シンフォニーホールでシリーズ公演を開催させていただくことになりました。今回のテーマはチャイコフスキー!
これまでも何度かザ・シンフォニーホールで演奏させていただきましたが、このような形で彼の豪華な作品をラインアップするのは初めてです。素晴らしい名曲である交響曲第4,5,6番を軸に全3公演で演奏させていただきます。プログラムの前半には素敵な小品を組み合わせてみました。(チャイコフスキーと言えば祝典序曲「1812年」じゃないか!どうして入っていないんだ!と演奏曲をご覧になって叫ばれたコアなチャイコフスキー・ファンの方々、ご安心ください。必ず今後「1812年」を軸にステキな演奏会を行うことをお約束いたします。)
チャイコフスキーの作品は常にロマンティックであり、時にオーバーな表現が必要とされ、過去の演奏には根拠のない過度なロマンティシズムに傾倒しているものが多くあります。実は指揮者として有能でもあったチャイコフスキー自身がスコアに記した情報はかなり緻密で、自由という言葉からはかけ離れた世界が存在しています。そして、演奏者に高いレベルの表現力と技術を要求します。
様々な箇所でのテンポ指定など、明らかな数字が振られているにも関わらず、20世紀における演奏慣習によって、誤ったスタイルというものが定着してしまったように思います。非常に残念なことです。往年の巨匠たちの演奏がいわゆる定番になり、スコアから勝手に一人歩きした「解釈」が、彼らの後に育った僕たち演奏家や聴衆の皆さんの記憶に刻み込まれることになるわけです。
しかしながら楽譜は嘘をつきません。スコアの中には揺るぎない、そして確固たる情報があり、テンポの指示から強弱法など、彼が求める世界観が明確に記されています。これをどこまで忠実に演奏できるのか・・・。モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェン、ブラームス・・・ これまでシリーズに取り上げた古典作曲家の作品すべてに該当する問題を、チャイコフスキーも共有していると思います。ビブラートやテンポにアーティキュレーション・・・ 彼の生きた時代は19世紀です。もう一度、頭を真っ白にして作品を見直す努力をしたいと思います。僕たち演奏家がどこまで突き詰め、彼の作品をあるがままにお聴かせすることができるのか。これが僕たちの挑戦です。
僕と一緒に演奏してくださるのは、関西フィルハーモニー管弦楽団の皆さんです。これまでにもザ・シンフォニーホールで共演させていただきましたが、今回のようなシリーズ公演は初めてです。大変楽しみにしております。
全3回シリーズでお届けする「チャイコフスキー選集」。ザ・シンフォニーホールでお待ちしております。
金 聖響