トン・コープマン
オール・バッハ
チェンバロ&オルガン リサイタル
[チェンバロ・オルガン]トン・コープマン
日時 |
2010年11月14日(日) 15:00 開演 14:00 開場 |
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会場 | ザ・シンフォニーホール |
料金 | A 4,000円 B 3,000円 C 2,000円 (C売切れ) |
一般発売日 | 2010年7月25日(日) |
優先予約日 | 2010年7月22日(木) |
プログラム | 《J.S.バッハ・プログラム》 【チェンバロ】 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903 平均律クラヴィア曲集 第1巻 第1番 前奏曲とフーガ ハ長調 BWV.846 オーボエ協奏曲 ニ短調 BWV.974(マルチェッロ原曲/チェンバロ独奏版) 6つのパルティータ 第4番 ニ長調 BWV.828 【オルガン】 トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565 18のコラール 第4曲「おお愛する魂よ、汝を飾れ」BWV.654 18のコラール 第3曲「バビロン川のほとりで」BWV.653 パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV.582 |
お問い合わせ先 | ABCチケットセンター 06-6453-6000 |
古楽器のスペシャリストが奏でる“究極のバッハ”
トン・コープマン
オール・バッハ チェンバロ&オルガン リサイタル
J.S.バッハが思い描いた音色、響き、そしてバッハの演奏が作り出す空気をこの肌で感じてみたい・・・。この秋、古楽器界の名匠であり、バッハの名手でもあるトン・コープマン氏がそんな皆様の願いを叶えます!
昨年、自身が1979年に立ち上げたアムステルダム・バロック管弦楽団を引き連れて、バッハの管弦楽組曲全曲を披露し大喝采を浴びたコープマン氏。今回は7年ぶりにチェンバロとオルガンのソロでザ・シンフォニーホールに登場します!
前半は有名チェンバロ曲より。「平均律クラヴィア曲集 第1巻 第1番 前奏曲とフーガ」のプレリュードは、フランスの作曲家グノー作「アヴェ・マリア」の原曲にもなった大人気曲。さらにイタリア映画『ヴェニスの愛』のテーマ曲としても知られるマルチェッロ作、バッハ編曲の「オーボエ協奏曲 ニ短調」など、300年近い時を経て今なお、愛され続けている名曲をお楽しみください。
後半はステージ後方に堂々と輝くパイプオルガンから生み出される幻想的な響きをご堪能ください。オルガンといえばこの曲、替え歌でもよく知られている「トッカータとフーガ ニ短調」から始まり、18のコラールよりこちらも代表作「おお愛する魂よ、汝を飾れ」「バビロン川のほとりで」を荘厳にお贈りいたします。ラストを飾るのは、パイプオルガンの重厚感が漂う「パッサカリアとフーガ ハ短調」。ペダルから始まる主題は20回の変奏を繰り返し、ダイナミックにクライマックスへと続きます。
チェンバロ奏者、オルガニストそして指揮者として確固たる地位を築き、全世界で活躍を続けるコープマン氏。彼の優しい眼差しの奥には45年を越えるキャリアから生まれたバッハそのものが浮かび上がります。今秋、巨匠の名演で蘇るJ.S.バッハの世界をどうぞお聴き逃しなく!
【コープマンさんとの一問一答】
チェンバロ、オルガン、古楽との出会いについて教えていただけますか?
――母は私が4歳の頃から多発性硬化症を患っており、あまり歩くことができませんでした。彼女はラジオでミサ曲を聴いていましたが、その番組の15分前、オランダのラジオ局が放送していたチェンバロの曲を聴き、私はとても好きになりました。6歳の時、私は教会聖歌隊のボーイソプラノになり、バッハ、ヘンデル、パレストリナなどの曲を歌いました。オルガン奏者は、3つの手鍵盤とペダルのある大きなオルガンを弾いていました。当時は知らなかったのですがアマチュア奏者だったそうです。とにかく私はオルガンに魅了され、できるだけ彼の近くにいました。
古楽は、幼少時から現在までいつも私のそばにありました。
その後、本格的に古楽器奏者を志したきっかけは何だったのでしょうか?
――ギムナジウム(ヨーロッパの中等教育機関)卒業後、私はグスタフ・レオンハルトの弟子になりアムステルダム大学で音楽学を学びました。そうするのが当然のことでした。
ずばり、コープマン氏が生涯をかける古楽器の魅力を教えてください!
――作曲家はこれらの楽器のために曲を書いたのです。これらはその当時にあった楽器で作曲家はこれらの楽器しか知りませんでした。バッハは現在あるスタインウェイピアノを知りませんでした。もし知っていたら、スタインウェイピアノのためにポリフォニー(多声音楽)ではなく、全く違う曲を作っていたことでしょう。
25歳で最初のバロック・オーケストラを立ち上げるきっかけは何だったのでしょうか?
――グスタフ・レオンハルトとのレッスン、彼のレオンハルト・コンソートが好きでした。N.アーノンクールの「聖母マリアの夕べの祈り」や「ヨハネ受難曲」などが収められた“Das Alte Werk(ダス・アルテ・ヴェルク)”の初期のレコードを繰り返し聴き、新たな世界が開けました。
その後1979年にアムステルダム・バロック管弦楽団を結成し現在も活動されていますが、30年前と現在では変化がありますか?
――古楽器奏者の技術の質が非常に向上しました。私が立ち上げた最初のバロック・オーケストラ“ムジカ・アンティカ・アムステルダム”では正統派で十分な能力のあるバロック奏者を探すのがとても難しかったです。
アムステルダム・バロック管以外でも、指揮者として精力的に活動をされていますが、指揮者には楽器演奏とは違う魅力がありますか?
――指揮することと楽器を弾くことは全く異なることで、どちらか一つを選ぶことはできません。私は演奏することが好きですが、指揮することも好きです。著名な“現代”のオーケストラとの共演はいつも冒険で、どんなオーケストラだろうか、彼らは異なるアプローチを受け入れるだろうか、レベルの高い奏者のいる素晴らしいオーケストラに私が過去の楽器や言語から得た経験から何か示すことができるだろうか、など考えます。
古楽器演奏や指揮以外では、どのようなことに興味がありますか?
――古い書籍や古い楽譜を収集しています。
1987年アムステルダム・バロック管との初来日より度々、来演してくださっていますザ・シンフォニーホールの印象をお聞かせください。
――私はこれまでにリサイタルやオーケストラとの共演などで何度かザ・シンフォニーホールで演奏しています。1992年度のザ・シンフォニーホール国際音楽賞、クリスタル賞をいただいたこともあります。古楽器にとって最高の音響効果があり、聴衆はとても素晴らしいです。
今回もオール・バッハ・プログラムですか、J.S.バッハの魅力について教えていただけますでしょうか?
――私の考えでは、J.S.バッハは史上最高の作曲家です。バッハの曲を演奏すればするほど、彼のような天才に対して自分がどんどん小さい人間に思えてきます。「マタイ受難曲」など、同じ曲を演奏する度に新しい要素を発見します。何と素晴らしいことでしょう。ついに今シーズン私はバッハの「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ」をキャサリン・マンソンとレコーディングすることになりました。
今回演奏されるチェンバロとオルガンの聴きどころを教えてください。
――本当にバッハによるものだろうかと多くの人が不思議に思った2つの優れた作品に特に注目して欲しいですね。バッハが初期にブクステフーデのスティルス・ファンタステイクス(幻想様式)の影響を受け作曲した有名なオルガンのための「トッカータとフーガ ニ短調」そして「半音階的幻想曲とフーガ」です。両作品とも一世代前のものですが、とても前衛的です。これらの作品を上手く演奏するためには創造力がなくてはなりません。
世界をまたにかけてご活躍されていますが、今後の活動のご予定やご自身の夢についてお聞かせいただけますか?
――近い将来の私の夢は、バッハに大きなインスピレーションを与えたブクステフーデの全作品のレコーディングを完成させることです。既に3分の2が終わっておりアントワーヌ・マルシャンからCDが発売されています。喜びとエネルギーに満ちた素晴らしいチェンバロ、オルガン、室内楽および声楽曲の数々で、声楽曲は時に簡素ながら心に直接響いてきます。2012年に最終レコーディングを予定しています。
また、ハイドンの「ロンドン交響曲」のレコーディングも開始したところです。
私はちょうど66歳になったところですが、これからもずっと世界中の音楽を愛する皆さんのために演奏を続けていきたいと思っています。もちろん、私自身にとっても、音楽は私の一部であり、音楽なしに生きていくことはできません。
最後に11月の公演を楽しみに待ってらっしゃるファンの皆さまにメッセージをお願いします!
――私は大阪を何度も訪れたことがあるので大阪には多くのファンの方がいてくださり、いつも温かく迎えていただいていることにとても感謝しています。今回もバッハの音楽がいつまでも皆さんの記憶に残るように演奏したいと思います。