1. | ドヴォルザーク:ユーモレスク (3:34) | Dvorak:Humoreska | 試聴する |
---|---|---|---|
2. | マスネ:タイスの瞑想曲 (5:29) | Massenet:Thais Meditation | |
3. | ボッケリーニ:メヌエット (3:46) | Boccherini:Menuetto | |
4. | J.S.バッハ:アリア(G線上のアリア) (5:56) | J.S.Bach:Aria(Air) | |
5. | ハイドン:セレナード (3:54) | Haydn:Serenade | |
6. | シューベルト:アヴェ・マリア (4:57) | Schubert:Ave Maria | |
7. | チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調op.48 〜第2楽章「ワルツ」 (3:50) |
Tchaikovsky:Serenade for Strings in C major op.48 〜2nd movement 'Waltz' |
|
8. | ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集『四季』より 「春」op.8-1 第2楽章 (2:39) |
Vivaldi:Spring,from'Four Seasons'op.8-1〜2nd movement | |
9. | パッヘルベル:カノン (4:49) | Pachelbel:Canon | |
10. | シューベルト:楽興の時 D.780〜第3番 ヘ短調 (1:57) | Schubert:Moments Musicaux D.780〜No.3 in F minor | |
11. | モーツァルト:セレナード 第13番 ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」〜第1楽章 (5:54) |
Mozart:Serenade No.13 in G major 'Eine Kleine Nachtmusik' K.525〜1st movement |
|
12. | 山田耕筰:赤とんぼ (2:21) | Kousaku Yamada:Akatonbo | |
13. | J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ (3:52) | J.S.Bach:Jesu,joy of man's desiring | |
14. | J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542 (11:37) | J.S.Bach:Fantasia and Fugue in G minor BWV.542 |
歴史と伝統を誇る、ブルガリアを代表する弦楽オーケストラ。1962年、作曲家でありブルガリア放送交響楽団の指揮者ヴァージル・カザンジェフを創始者として結成。ソフィア国立歌劇場管弦楽団のソリスト・クラスの精鋭を集めて組織され独立した団体として活動を始めた。
レパートリーはバロックから現代まで400以上を誇り、これまでにヨーロッパをはじめ、ロシア、南北アメリカ、オーストラリア、中国、韓国、日本など広く国際的に活躍。ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどで数多くの国際音楽祭にも出演し、由緒ある音楽祭で栄誉ある賞に輝いている。1972年には、その功績に対して「ディミトロフ賞」(国民最高栄誉賞)が授与されている。録音も60タイトルを超え、ビクター、コロムビア、ハルモニア・ムンディ、SABA、バルカントーン、Gegaなどからリリースされ、TVやラジオの出演や映画音楽の収録なども世界各地より依頼が相次いでいる。また、ブルガリアの著名な作曲家によって書かれた60曲以上の初演も行っている。
指揮者は1988年以降3代目としてプラメン・デュロフに引き継がれ、広く国際的に活躍している。
1949年生まれ。指揮者、作曲家。ソフィア音楽アカデミーでピアノをマラ・バルサモヴァ、作曲をマリン・ゴレミノフ、指揮法をコンスタンチン・イリエフ、ウィーン音楽アカデミーにおいてカール・エスタライヒャーに師事。
ブルガリアのプレーベン交響楽団で指揮者として活動を開始し、1988年よりソフィア・ゾリステンの指揮をとっている。これまでに、ドイツ、ベルギー、イタリア、ハンガリー、ロシア、ポーランド、チェコ、スロヴァキア、メキシコ、キューバ、韓国、日本など30ヶ国以上で指揮をとっている。
その功績に対し、ブルガリアの芸術、創造分野において名声あるナショナル・アワードを獲得している。
現在ソフィア音楽アカデミーで後進の指導にもあたりブルガリア音楽協会会長も務めている。巧みな表現で名曲に新たな命を吹き込む指揮ぶりで多くのファンを持つ。
- 指揮 Conductor
- プラメン・デュロフ Plamen Djouroff
- ヴァイオリン Violin
- リュドミール・ネンチェフ Ludmil Nentchev
- ディミタル・ダンチェフ Dimitar Dantchev
- エミール・ボシェフ Emil Boshev
- ペテル・ガネフ Peter Ganev
- ディミタル・ゲオルギエフ Dimitre Gueorguiev
- ニコラ・ニコロフ Nikola Nikolov
- ニコライ・ヤナキエフ Nikolay Yanakiev
- イェチコ・ベトゥフ Jetchko Petkov
- ヴィオラ Viola
- オグニアン・コンスタンティノフ Ognian Konstantinov
- ルボミール・ミッツェフ Lubomir Mitzev
- トドール・ミトロフ Todor Mitrov
- チェロ Cello
- シメオン・スタイコフ Simeon Staykov
- トドール・ゲオルギエフ Todor Gueorguiev
- コントラバス Contrabass
- ツヴェトミール・ラザロフ Tzvetomir Lazarov
愛らしく安らぎに満ちた「名曲の花束」
1997年の晩秋、ブルガリアの名門=ソフィア・ゾリステンは、「名曲の花束」というタイトルのもと、日本全国合計19公演にも及ぶコンサート・ツアーを行った。総数=18,187名の観客の皆様をお迎えできた今回の日本ツアー。このCDに収められた珠玉の名曲の数々の慈愛に満ちた演奏は、また日本から遠く離れたブルガリアの名演奏家たちと、日本の多くの聴衆の「魂の邂逅」の記録でもある…。
仙台、江別、札幌、吹田、広島、龍野、篠山、大阪、京都、磐田、東京、野洲、名古屋、神戸、東条町、舞鶴、岡山、泉佐野、そして橿原。大都会だけでなく多くの優れた地方のホールでも行った数々の演奏会。
「今までの日本公演では、進歩した機能的な都会を見、先進国日本に憧れを持っていた。しかし、今回のツアーではそれに加えて、多くの日本の美しい自然に触れることができた。」指揮者プラメン・デュロフが残していった言葉である。
極度のインフレに悩む旧東欧圏のブルガリア。都市の近代化こそは遅れているが、逆に美しい自然が多く残っているブルガリアの名演奏家達と我々日本人が短いけれど大きな心の触れ合いを残したツアーだった。
公演地の一つ兵庫県龍野市は、山田耕筰の名曲「赤とんぼ」の作詞者=三木露風が生まれ少年期までを過ごした「赤とんぼ」の町。同市出身の作曲家=浅井修三氏に編曲をお願いし、今回のツアーのアンコール・ピースとして各地で演奏された。最初に楽譜を渡された時、初見で演奏した彼らの演奏には、当然ながら日本人がこの名曲に持つ独自の感慨が現れなかった。
しかし、晩秋の美しい日本の紅葉の中のツアーの中で、この美しくノスタルジックな旋律が彼らのエモーションそのものと合致したような心揺さぶる名演が生まれていった。
このCDは、彼らの公演期間中にザ・シンフォニーホールで収録用に演奏されたものであり、ライヴ・レコーディングではない。しかしながら、今改めてこの録音を聞くとき、「赤とんぼ」も含めて今回収録されている作品の総ては、ソフィア・ゾリステンの演奏を通じて表現されている彼らと日本の聴衆の魂の触れ合いの記録でもあると感じるのは、招聘者としての思い入れだけでは決してないと思う。日本各地で行った演奏会の「思い入れ」がこのCDの中に凝縮されている。
彼らの一夜の演奏会にかける情熱は並大抵のものではない。ありきたりのツアーの同行したことのあるものにとってはそれは驚異とも呼べるほどのものである。
ここに収められている名曲の数々をプログラムにした演奏会が連日連夜続いても彼らは必ず長時間のリハーサルを行う。毎回ホールのアコースティックを確かめながら、メンバーの一人ひとりが意見を述べ合って1曲1曲を丹念に練習する。公演が始まる時には、ホール中に既に彼らの思い入れが満ち満ちているような気さえする時がある。そうした音楽に対する深い愛情が、聴くものすべての心の奥に直接響いて来るのだ。
1962年の創立。この録音時の1997年が結成35周年だったソフィア・ゾリステン。結成当時からのメンバーが現役で3名在籍し、人間的にも家族のような仲の良い15名の音楽家たち。彼らの演奏から生まれる愛らしく安らぎに満ちた「名曲の花束」は、日常の生活の中で枯れることなくいつまでも咲き続けてくれるでしょう。
(林伸光/ABCザ・シンフォニーホール)