オーストラリア(4)
タスマニア
※取材時=10月初旬〜中旬
1AUドル=87.5254で換算(11月18日レート)
≪タスマニアTasmania≫
オーストラリア大陸の南約240km、南緯40度から43.3度の地点に浮かぶ島の州。面積は約68,401平方km 北海道の約80%ほどの面積を持つ。島の約40%が国立公園や自然保護区に指定されている。
島全体の約20%が世界遺産「タスマニア原生地域」に登録(1982年と1989年)された国立公園。
気候は温暖ながら四季がはっきりしている。
ピート・ハームセン
ホバートを起点に活躍するフリーのカメラマン。タスマニアの自然とアウトドアアドベンチャーを愛し、オーストラリアの国営放送ABCでスタートしたカメラマン歴は35年を超え、国内/海外のテレビやドキュメンタリーの制作に携わる。辛抱強くリラックスした柔軟な姿勢で望む撮影スタイルに定評があり、自然やアドベンチャー、スポーツ、ライフスタイル、リアリティ番組まで多岐にわたる分野で活躍している。
≪ホバート Hobart≫
人口約22万人。タスマニア州の州都。シドニーについでオーストラリアで二番目に古い街。ダーウェント川の周りに発達し、1870年代までは捕鯨船の基地として賑わった。石造りの倉庫が並ぶサラマンカプレイスには植民地時代の振り街並みが残されている。
クレイドル・マウンテン・セント・クレア湖国立公園
ホバートから車で約5時間。面積約1612平方km。タスマニアで一番大きな国立公園。世界遺産「タスマニア原生地域」の一部となっており、クレイドル・マウンテン周辺地域とセント・クレア湖周辺の二つの地域から成っている。野性的なクレイドル・マウンテンがダブ湖の湖面に映る姿は、タスマニアを象徴する最も有名な景観。周辺では原生雨林、山岳地帯のヒースの生えた原野、ボタングラス、落葉樹のブナノキなどが織りなす変化に富んだ景色が楽しめる。
ボノロング野生動物保護施設
怪我をしたり、親がいなくなってしまった動物の救助、リハビリを行っている。保護されている動物は約25種類以上(鳥や爬虫類含む)。ボノロングではタスマニアデビルの保護と繁殖プログラムを行っている。現在21匹のタスマニアデビルが保護されている。基本的に保護した野生動物は、元気になったら自然に帰すが、タスマニアデビルは伝染病が流行っているため、ボノロングで繁殖させ他の保護施設に移している。
【住所】593 Briggs Road, Brighton TAS 7030
【ホームページ】bonorong.com.au/japanese/
【入場料】
大人 26ドル(約2,270円)、子ども 12ドル(約1,050円)
ビシェノ
ホバートから約2時間半。人口約700人。タスマニア東海岸のフレシネ半島の北側に位置し、家族連れに人気のリゾート地。毎晩、海から上がってくるフェアリーペンギンを見るツアーでよく知られる。それ以外にも、沿岸のガバナー島海洋保護区はオーストラリアでも屈指のダイビングのスポット。カヤックやガラス底のボートでも海中の世界を十分楽しめる。近くのダグラス・アプスレー国立公園やワイングラスベイで知られるフレシネ国立公園への拠点ともなっていて、タスマニアの大自然や動物を満喫できる。
ビシェノ・ペンギン・ツアーズ
1991年創設。タスマニア州で初めてのペンギンツアー。昼間に餌を取りに行き海から戻ってきた野生のフェアリーペンギンが、浜辺を横切り巣へ戻っていく様子が見られる。
1500匹を超えるペンギンの繁殖地となっている。
【住所】70 Burgess Street, Bicheno TAS 7215
【料金】ツアー(1時間)大人 30ドル(約2,620円)、子ども 15ドル(約1,310円)、4歳以下 無料
【ホームページ】www.bichenopenguintours.com.au/
マウント・フィールド国立公園
タスマニアで最も古い国立公園。ホバートから北西に車で約1時間余り。タスマニアで最も人気の国立公園の一つであるマウント・フィールド国立公園は、2013年に世界遺産の「タスマニア原生地域」に登録された。
氷河の作用を受けた景観と、世界でも最も背の高い部類のユーカリの原生林が広がる。ラッセル滝までの約15分の遊歩道から、一泊を要する山岳地帯の山歩きまで、素晴らしい大自然の中でのウォークが楽しめ、秋には山々の紅葉が美しく、冬にはスキーもできる。
【住所】66 Lake Dobson Road, National Park TAS 7140
【入場料】1人12ドル(約1,050円)
【ホームページ】www.parks.tas.gov.au/?base=3589
フォレスト・シークレッツ
ホバートから車で約1時間。面積約0.05平方km 東京ドーム約4個分。今年10月にオープンしたばかりのタスマニアの森林の魅力を体験できる最新スポット。敷地内を流れるタイエナ川は、他ではなかなか見ることのできない野生のカモノハシが見られることが多い絶好のスポット。ピクニックエリアや森をテーマにしたギフトショップもある。
【住所】
2166 Gordon River Road, National Park TAS 7140
【ホームページ】www.forestsecrets.com.au/
【入場料】
大人 12.5ドル (約1,090円)、 子ども 9.5ドル(約830円)
※開園期間は10〜4月、日〜金曜10:00〜16:30(土曜定休)
タスマニアで出会った動物
●タスマニアン パディメロン
タスマニアの固有種。カンガルー科の動物で、ワラビーと間違われやすいが、ワラビーよりも小型。短い足とずんぐりとした体型が特徴。住宅地から森の中まで広範囲に生息している。ハーブや若芽、花など様々な植物を食べる。
●ウォンバット
カンガルーなどと同じくお腹で子育てをする有袋類。夜行性のため日中は地面に掘った巣穴の中で過ごし、日が落ちてから行動する。ずんぐりとした体型だが、走り出すと時速40kmにも達する。硬くて繊維質の多い歯を奥歯をすり合わせて食べる。前歯は一生伸び続けるため、硬い樹皮などをかじって削る。お尻がとても硬く、敵から襲われた時、巣穴にもぐり自分のお尻で巣穴に蓋をしてしまう。生物によっては頭蓋骨を砕くこともある。
●ブラッシュ テイル ポッサム
日中は木の穴の中などで生活している、夜行性の有袋類。
オーストラリア全土で見られる。木の実や果物、昆虫などを食べる。
●タスマニアンデビル
タスマニアの固有種。夜行性で日中は倒木や洞窟など巣穴にこもり、夜になると餌を探して歩き回る。世界最大の肉食性有袋類(ゆうたいるい)動物の死骸、鳥類、昆虫などを食べる。動物の死骸を食べることから、「森の掃除屋」とも呼ばれている。かつてはオーストラリア全土に生息していたが、現在の生息地はタスマニア島だけ。1990年代半ばからデビル顔面腫瘍性疾患と呼ばれる伝染病により数が激減。オーストラリア政府による絶滅危惧種に指定されている。
●フェアリーペンギン
世界最小のペンギン。全長約30〜40cm 体重約1kg。主食はイワシ、アンチョビ、イカ、オキアミ、タツノオトシゴ等の小さな魚。1日に、通常200-300g、繁殖期は最大500gまで食べることができる。浜から約20km離れた場所を漁場としている。通常10m〜20m、最深約60mまでの潜ることができる。1回の潜水の時間は平均23秒、時速5km〜10kmで泳ぐ。繁殖時期は通常8月〜3月。1度に卵を2つ産む。卵が孵化するまでにかかる時間はおよそ35日。子供たちは親と他の大人を見分けることができないと言われており、反対に親は自分の子供を声、匂いで見分けることがでる。外敵は、海では、サメ、アザラシ。陸では、ハシブトカモメ、ウミワシ、犬、猫、人。
●カモノハシ
単孔類と呼ばれる卵を産み母乳で育てる哺乳類。オーストラリアの固有種。(タスマニア以外にも生息)ゴムのようなやわらかいくちばしと、四肢には水かきを持つ。水際に穴を掘り巣穴を作る。生物が動くときに発する微弱な電流をくちばしで感知し獲物を捕る。水底の昆虫や幼虫、貝、ミミズなどを食べる。オスは後ろ足のかかと部分に毒針を持っている。