関西ニュースKANSAI

　大阪府が進める私立高校授業料の完全無償化。ＡＢＣテレビ」が独自アンケートをした結果、回答した高校の中で、「賛成」を選んだ学校はありませんでした。

　全国初の制度を大阪に！吉村知事が実現を目指すのは、高校授業料の完全無償化！

「私立も公立も高校授業料は完全無償化。大阪の子ども達は全員対象です。これをやらせてください！」

　まずは来年度の高校３年生から始め、２０２６年度までには府内全ての生徒に対象を広げる方針です。

「（学校の）選択肢が広がるので親としてはありがたい」
「兵庫県はお金がかかるので大阪だけええなー」

　保護者にとってはうれしい一方で、待ったをかけたのは…大阪の私立高校の保護者団体です。

（近畿私立中学・高校保護連　松井次郎・会長）「私ども保護連といたしまして、“反対”をさせて頂くとことの旨を大臣に伝えました」

　訴えているのは、完全無償化になればこれまでの学校教育が維持できなくなり、教育の質が低下するということ。
　
　私立高校の授業料を巡っては現在、年収９１０万円未満の家庭を対象に、国と府が年収に応じた支援を実施。

　大阪府の場合、その上限額を１人あたり年間６０万円と定め、年収８００万円未満の家庭に関しては、上回る分を学校が負担してきました。

　しかし…新制度が適用されれば、所得に関係なく一律、高校側が負担する事になります。


　ＡＢＣテレビでは、この新制度案について府内の対象の私立高校に独自アンケートを実施。５０校から回答を得ましたが…

（Ｑ学校負担額が増えた場合の影響は？）
「私立学校としての教育方針・自由が奪われ生徒が犠牲になる」

（Ｑ新制度が適用された場合大阪の教育は？）
「私学の経営が苦しくなる。教育は全体として低調感が漂う」

　制度の改善を求める学校が８割を占め、「賛成」を選んだ学校はありませんでした。

（大阪私学連合会 平岡宏一・副会長）「生徒と保護者に責任がある人間、以外の人間が、勝手に（授業料を）設定する事にものすごい抵抗感が私学全体にあるということですね。知事は重く受け止めてもらいたい」

（吉村知事）「アンケートに答えないというのは賛成なんだろうと僕は思います。僕が一つ言えることは、子どもたちのことを第一に考えてこの制度を作る。それから私学の教育は非常に重要ですから、そこを重視していきたい」