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「武富士事件見てガソリン使おうと」青葉被告 秋葉原事件の元死刑囚への“共感”も語る 京アニ裁判で初の検察側被告人質問

09/14 16:19 配信

 京都アニメーション放火殺人事件の第6回公判が開かれ、初めて検察側からの被告人質問が行われています。

 青葉真司被告(45)は、事件に至る経緯や動機を詳細に語りました。

 「ためらうものです、それは。自分のような悪党でも小さな良心がある。でも、これまでの暗い半生を考えて、やっぱりここまで来たらやろうと思った」

 青葉被告の太くこもった声が響く京都地裁101号大法廷。時折、身振り手振りを交えて興奮気味に話す場面もありました。

 この日の審理では初めて検察側の被告人質問が行われ、公判担当の検察官が事件に直接関わる質問を矢継ぎ早に被告に投げていきました。

(検察官)「どうしてガソリンを使おうと思った?」
(青葉被告)「昔、どこかの消費者金融で、たぶん武富士だったと思うんですけど、ガソリンをまいて、ガソリンが気化して爆発し、人が亡くなった事件を見てそういう犯行に及ぼうと思いました」
(検察官)「どうして包丁を持っていった?」
(青葉被告)「秋葉原の事件が起こったことへの思いがあった。秋葉原では車で突っ込んで、3人殺傷した。刀は時代劇ではバサバサ切っているが、1人か2人で血糊で切れなくなる。もしかしたら、ガソリンをまいたあとで止められることが予想されるので、その時に使おうと思っていた」

 事件を起こす1ヵ月前には埼玉県の大宮駅で無差別殺人事件の計画も企てていたという被告。

 秋葉原事件の加藤智大・元死刑囚(執行当時39歳)には「共通点」があると語りました。

 (青葉被告)「仕事を転々としたり、郵便局をクビになったり、事件を起こしたことに何かしらの共感や類似点があると思った。他人事に思えなかった」

 被告はこれまでの裁判で、何度も「京アニに小説をパクられた」と主張してきました。

 検察官から「あなたの言う『盗作』に関わっていない人もいたはずのスタジオに放火しようと決めたのはなぜか」と問われると、こう答えました。

 (青葉被告)「アニメーションは1人で完結できない。何人かで盗作シーンを作ったという思いがあった。無関係ではないという判断しか当時はできなかった」

 多数の遺族も傍聴する法廷の中で、36人もの命が奪われた放火殺人事件の審理が、淡々と続いています。

最終更新:09/14 16:19

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