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【経緯まとめ】宝塚歌劇団の劇団員死亡 「マインドが足りない」「うそつき野郎」遺族は上級生からの“強烈なパワハラ”訴え 残業200時間超の“膨大な仕事量”も

11/14 16:50 配信

 宝塚歌劇団に所属していた25歳の女性が自宅マンション敷地内で死亡した問題で、劇団は14日午後、会見を開き、調査結果を公表しました。上級生からのパワハラやいじめは確認できなかったとする一方で、長時間労働を強いる環境だったことを認めました。これまでの経緯をまとめました。

 9月30日、宝塚歌劇団の宙組(そらぐみ)に所属していた25歳の女性が、自宅マンションの敷地内で死亡しているのが見つかりました。自殺とみられます。

 遺族の代理人が先週、会見しました。
(遺族側の代理人・川人博弁護士)「上級生のパワハラもあり、健康を損なって亡くなったということであります」

 稽古中、女性は「下級生の失敗はすべてあんたのせいや」「マインドが足りない」「嘘つき野郎」などの暴言を浴びせられたといいます。他にも、上級生から「前髪を巻いてあげる」と熱したヘアアイロンを額に当てられたといい、これについては今年、週刊誌が報じたこともありました。

 10月、取材に応じた劇団側は…。
(宝塚歌劇団・渡辺裕企画室長)「まず否定させていただきたいのは加害者・被害者という言葉。加害者も被害者も居ません。ヒアリングの結果、(ヘアアイロンについて)本人たちもそんなことはなかった。ただ(誤って)当たったという事実はございましたので、そこは確認はしております」

 遺族側が挙げた死亡の原因は「パワハラ」だけではありません。
(遺族側の代理人・川人弁護士)「約1カ月半、わずか一日3時間程度の睡眠しかとれない状況が続いた」

 亡くなる直前1カ月の業務時間は合計400時間を超え、残業とされる時間は200時間以上。“過労死ライン”と言われる80時間を大きく超えています。休日は1カ月半にわたり、ありませんでした。

 「同じ期のメンバーが(組に)当初8人いたが、亡くなった当時は2人しか活動していなかった。本来8人でやるところを2人で行うのは無理な体制で極めてまれなこと。劇団はこうした状況を当然知っていたが、改善措置を取らなかったので、過重な業務を課すことになった」

 遺族側は、上級生や劇団などに対し謝罪と補償を求めています。
(遺族コメント)「8月半ば以降、娘の笑顔は日ごとに減って辛く苦しそうな表情に変わっていきました」「あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと 考えると、胸が張り裂けそうです」

 厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や 「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう呼び掛けています。

▼「こころの健康相談統一ダイヤル」
0570-064-556

▼「♯いのちSOS」
0120-061-338

▼「よりそいホットライン」
0120-279-338

▼「いのちの電話」
0570-783-556

最終更新:11/14 17:16

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