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宝塚歌劇団が会見し謝罪も「いじめやハラスメント確認できず」 劇団員の25歳女性死亡 遺族側は「納得できない。再検証を」

11/14 19:23 配信

 宝塚歌劇団に所属する女性が死亡した問題で、14日午後、劇団が会見を開き、遺族に謝罪しました。外部弁護士による調査チームがまとめた報告書を公表し、女性に対するいじめやハラスメントがあったとは認定できないとしました。

―――25歳の若さで生きる道を閉ざされ、奪われてしまった娘の苦しみ。そして あの日どんな思いで劇団を後にしたのかと考えると、胸が張り裂けそうです。

 娘を救えなかった悔しさをにじませる遺族。ことし9月、宝塚歌劇団に所属する25歳の女性が、自宅マンションの敷地内で死亡しているのが見つかりました。警察は自殺とみています。

 これを受け宝塚歌劇団は外部弁護士による調査チームを設置。14日、会見を開き調査結果を公表しました。
(宝塚歌劇団・木場健之理事長)「ご遺族には大切なご家族を守れかったことを、心より深くおわび申し上げます。今後もご遺族の皆様に、誠心誠意対応してまいる所存でございます」

 会見は謝罪から始まりました。パワハラについては…。

(木場理事長)「ハラスメントやいじめについて、今回の報告書のなかでは、故人に対するいじめやハラスメントは確認されていなかったとされており、例えば『うそつき野郎』『やる気がない』といった発言については、すべて伝聞情報であり、そのような発言があったことは確認されていない」

 女性が亡くなる直前1ヵ月の残業時間は277時間35分。法律が定める時間外労働の上限80時間、いわゆる“過労死ライン”を大きく超えていたことについては…。

(木場理事長)「稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら新人公演の稽古も予定されているなかで、長の期(下級生の責任者)としての役割および活動に娘役2人のみであたったことが、故人の大きな負荷になっていたものと判断しております。そのような状況や問題を劇団側が十分に把握できず対処できなかったことにつきまして、責任を痛感しております」
「したがいまして、ご遺族のお気持ちをしっかりと受け止めたうえで誠心誠意向き合い、対応させていただく所存でございます」

 14日に会見を開いた遺族側は…。

(遺族の代理人・川人博弁護士)「ハラスメントの問題に関しては、この報告書の内容は失当である、間違いであると。遺族側は納得することができず、劇団側がこのような調査報告書の内容の認定を前提とせずに、事実関係を再度検証し直すべきである」

 厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や 「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう呼び掛けています。

▼「こころの健康相談統一ダイヤル」
0570-064-556

▼「♯いのちSOS」
0120-061-338

▼「よりそいホットライン」
0120-279-338

▼「いのちの電話」
0570-783-556

最終更新:11/14 19:39

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