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「再び体罰する恐れがないとは言えない」 日本バスケ協会、元顧問の指導者資格回復認めず 12年前に男子生徒が自殺した桜宮高校バスケ部の体罰問題巡り 遺族「結果を知りほっとしている」

05/09 21:08 配信

 12年前、大阪市立桜宮高校バスケットボール部の主将だった男子生徒(当時17歳)が顧問からの体罰を受けた後に自殺した問題で、元顧問の男性が指導者資格の回復を求め日本バスケットボール協会に申し立てましたが、協会は「再び体罰をする恐れがないとは言えない」として復権を認めない判断をしたことが分かりました。

 協会によりますと、元顧問の男性は問題を受けて2013年に指導者資格を取り消されていました。

 協会は、規定で「除名の懲罰を受けた者は10年を経過したとき、理事会の決定により復権することができる」と定めていて、男性は処分から10年以上が経過した今年2月、指導者資格の回復を協会に申し立てたということです。

 これを受けて外部弁護士で構成される裁定委員会は男性や遺族などから聞き取りをし審議した上で、「再び(体罰などの)違反行為を犯すおそれがないとは言えない」として7日、男性の申し立てを退けました。

 その根拠として委員会は「(男性は)暴力による制裁を加えることが、効果的な指導方法であるという確信を持って指導を行ってきた」ことなどから、再発のおそれが危惧されるとしています。

 また、男性の反省文や聞き取りでは体罰と自殺との因果関係などについて自己を正当化するような発言が散見されるといい、委員会は真摯に反省する姿勢が十分に見受けられないと指摘。

 協会の理事会メンバーからも復権に賛成する声がまったくあがらなかったことも踏まえて、申し立てを認めない判断にいたったということです。

 今回の協会の判断について、自殺した男子生徒の遺族は「指導者に復帰することを心配していたが、協会の結果を知り、ほっとしている」とコメントしました。

最終更新:05/09 22:08

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