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【犯行映像を独自入手】「あなたの家族が死ぬ。助けたければ現金と貴金属を・・・」巧みな役割分担で被害者の金品すり替え “おはらい詐欺”窃盗団の中国籍の男女4人逮捕

06/05 06:00 配信

 現金や貴金属を盗んだ疑いで逮捕された、中国籍のウ・シアオチョン容疑者(60)ら男女4人。似たような手口での被害は全国で1億2000万円以上。窃盗の手口とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

 4人は、それぞれ声かけ役、案内役、おはらい役、見張り役に役割を分担して犯行に及んでいたとされます。警察によると5月、名古屋市の商店街で声かけ役のウ容疑者が、60代の台湾出身の女性に中国語でこう話しかけたといいます。

(声かけ役)「中国語できますか?」

 女性の足を止めると…

(声かけ役)「〇〇薬局、知っていますか?」

 被害女性が困っていると、そこに現れたのが案内役の女でした。

(案内役)「私、知っています」「連れて行ってあげましょうよ」

 言葉巧みに誘導し目的地へと向かうことに。しかし、被害女性が連れて来られたのは、当初言っていた薬局ではなく、すぐ近くにある神社だったといいます。

 道すがら、案内役は被害女性から家族構成などの個人情報を聞き出し、おはらい役の女にSNSで情報を共有。神社に着くとおはらい役の女が現れて、あたかも霊視ができるかのように被害女性の家族構成などを次々と言い当てていきます。その能力を信じ込んだ被害女性に対し、こう告げたのです。

(おはらい役)「あなたの家族が死ぬでしょう。助けたければ、現金などをお祓いする必要がある」

 被害女性にうそを言って、現金や貴金属を自宅に取りに帰らせます。おはらい役は被害女性が持ってきた金品をビニール袋に入れ、おはらいと称する儀式を行い被害女性が見ていない隙にビニール袋を別の物とすり替えてたということです。

 大阪や兵庫など全国で相次ぐ同様の窃盗事件。その様子を捉えた映像をnewsおかえりが独自に入手しました。

(記者リポート)「大阪梅田の商店街で、通行人の女性に話しかける怪しい人物が防犯カメラにとらえられていました」

 これは4月、梅田にある防犯カメラの映像。商店街を歩いている女性に声をかける女。その横を案内役とみられる女が、何度も往復します。

 しばらくすると、その女も声をかけました。そして3人は、商店街を歩き始め、後ろにはおはらい役と見張り役と思われる人物が後をつけていく様子が映っていました。

 約2時間後の防犯カメラには、自転車に乗って自宅から金品を取って戻ってきたと思われる被害女性が映っていました。

(記者リポート)「通行人の女性は怪しい人物らと共に、こちらの路地に入り、その先でおはらいをすると言われ、現金や貴金属などを盗まれたという事です」

 警察は、同様の手口での犯行が去年10月以降、30件発生し、同じような手口を使った犯行グループが他にもいるとみて、捜査を進めています。

最終更新:06/05 06:00

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