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「粗雑な内容で、理由付けも不合理」親族側代理人 “紀州のドン・ファン”13億円遺産めぐる裁判 和歌山地裁が訴え棄却

06/21 21:04 配信

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた男性の遺産を巡る遺言書を有効とした和歌山地裁の判決について、親族側の代理人弁護士は「非常に粗雑な内容で、理由付けも不合理」と指摘しました。

 和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎幸助さん(当時77歳)は、2018年に死亡しました。

 亡くなった野崎さんをめぐっては、現金や有価証券など少なくとも13億2000万円に上る遺産がありましたが、野崎さん本人が書いたとみられる「全財産を田辺市にキフする」という遺言書が残されていたことから野崎さんの死後、田辺市は遺産を受け取る手続きを進めていました。

 しかし、野崎さんの親族が「偽造された可能性が高い」として、遺言書の無効を求め和歌山地裁に提訴。

 裁判では筆跡が野崎さん本人のものかどうかが争点となり、親族側は筆跡が別人のものとする鑑定結果を提出していました。

 和歌山地裁は21日の判決で、「親族側が提出した筆跡の鑑定結果は、資料の選別や認識に疑義があり採用しがたい」「遺言書の体裁や内容を検討したところ、野崎さんが署名し末尾に押印したとみるほかない」などとして、遺言書を有効と認め、親族側の訴えを棄却しました。

 判決を受けて親族の代理人弁護士は、リモート会見を開き「残念な結果となりました。判決文を見たところ、非常に粗雑な内容で理由付けも不合理ではないか」と話しました。

 控訴するかどうかについては、親族らと話した上で判断したいとしています。

 一方、田辺市は「一貫して遺言書は有効であると信じて事務を進めていました。長い期間の裁判となりましたたのでほっとしている」とコメントしています。

最終更新:06/21 21:04

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