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「酷暑で育たず」焦り「盗んだ方が早い」と考えた 九条ねぎ216キロ窃盗で元農家の男初公判 

11/21 17:20 配信

 今年8月、京都府内の畑から「九条ねぎ」を盗んだ罪に問われている元ネギ農家の男の裁判が始まり、男は「盗んだ方が早いという間違った考えになってしまった」と話しました。

 起訴状などによりますと、京都市伏見区の元ネギ農家、山本英雄被告(28)はことし8月、京都府久御山町内の他人のネギ畑から、「九条ねぎ」約216キロ(時価約19万4400円相当)を盗んだとして窃盗の罪に問われています。

 21日に京都地裁で開かれた初公判で、山本被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

 検察は冒頭陳述で、山本被告がことし1月にネギ農家として独立したことに触れ、「夏の酷暑でネギが育たず、取引先に納品する量を十分に確保できなかったことから他人の畑から盗もうと考えた」と指摘しました。

 続いて行われた被告人質問で山本被告は、「従業員の給料などお金に困っていた」、「今年は酷暑と小雨で生育が止まり収穫が思うようにいかず、取引先に納品量を減らすよう求めれば、取引がなくなると思い怖くなった」と話しました。

 また、山本被告自身も窃盗被害に遭ったとした上で「盗んだ方が早いという間違った考えになってしまった」とも語りました。

 裁判は即日結審し、検察は「生産者の経験や知識を利用した計画的な犯行で、売却目的であり、身勝手で酌量の余地はない」として懲役2年を求刑しました。

 弁護側は「保釈中に被害者のもとを訪れて謝罪するなど反省の態度を示していて、弁済する意向も持っている」として、執行猶予付きの判決を求めました。

 判決は12月19日に言い渡される予定です。

最終更新:11/21 18:52

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