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北新地クリニック放火殺人事件 院長の妹が受刑者らに講演 「犯罪に至った原因を見つめて」

03/21 20:40 配信

 北新地クリニック放火殺人事件で亡くなった院長の妹・伸子さん(48)が堺市にある医療刑務所で21日、受刑者らに対し再犯防止をテーマに講演しました。

 2021年12月17日、大阪・北新地のビル4階の心療内科クリニックが放火され、院長の西澤弘太郎さん(当時49歳)や、患者、職員など26人が犠牲になりました。

 ガソリンをまいて放火し、自身も煙を吸って死亡した谷本盛雄容疑者(当時61歳)は過去に殺人未遂の前科があって就職活動に悩んでいて、劣等感などから事件を起こしたとみられています。

 院長の妹・伸子さん(48)は事件後、カウンセラーの勉強などを始め、少しでも再犯を防ぐために元受刑者からの相談を受けるなど様々な活動をしています。

 21日、伸子さんは堺市堺区にある医療刑務所「西日本成人矯正医療センター」を訪れ、更生プログラムの1つである「一般改善指導」として講演しました。

 このセンターでは、病気を患い入院が必要となった受刑者や、食事の用意や掃除を担当する「経理係」と呼ばれる受刑者が収容されていて、「受刑者の方と話したい」という伸子さんからの働きかけで実現しました。

 講演で伸子さんは事件が発生した当日、警察署の遺体安置所で亡くなった兄の顔を見て涙する両親の様子を受刑者らに伝え、残された人々の苦しさを伝えました。

 一方で、これまでの自身の再犯防止の活動から犯罪はあってはならないと前置きをしつつも「犯罪に至るには必ず理由がある」と話し、「加害者も幼少期の家庭環境などで被害者であったこともあるのでは」と話しました。

 伸子さんは講演の最後に「生き直していくには、犯罪に至った原因を見つめて本人が気付く必要がある」と訴え、受刑者らに対して「ピンチはチャンス。どんな状態でも物の見方や捉え方を自身が変えていけば、他の道も必ずある。私に話をしたいと思っている人がいれば、担当者を通して相談してください」と受刑者に呼びかけました。

 講演を聴いた20代の女性受刑者は「理由があるからといって許されることではないが、理由があるということを自分たちが言わずともわかってくれている人がいることが嬉しかった」「伸子さんに相談をしてみたい」と話しました。

 30代の男性受刑者は「刑務所の教材で聞く声より、実際に目の前で遺族の話を聞いて心に響いた。もう2度と犯罪をしてはいけないと強く感じた」と話しました。

 伸子さんは今後も、再犯防止や社会復帰の支援を続けたいとしています。

最終更新:03/21 20:40

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