今回の依頼は山形県上山市のY家。蔵王連峰の裾野、冬は雪深く、気温も氷点下まで冷え込む場所に建つ、築150年以上の古民家だ。
依頼者は18年前、韓国のソウルから、山形の農家に嫁いできたが、その暮らしには、なみなみならぬ苦労があった。家の中は隙間だらけで断熱材も入っておらず、凍えるような寒さ。家中が寒いこともあり、食事をするのも、くつろぐのも、さらに今は寝たきりとなった義母の介護も、昔から使われている古い薪ストーブが置かれた八畳の居間で肩を寄せ合って過ごしている。そんな依頼者がいまだに慣れないのはトイレ。Y家の広大な母屋にはトイレが一つもなく、外の納屋にしかない。しかも汲み取り式のトイレだ。雪の日は、用をたすのにわざわざ雪かきをして道を作りながらトイレに行かなくてはならない始末…。他にも、玄関の鍵は外からかけられず、野良猫の侵入をふせぐためだけに外から棒を立てかけるだけの不用心さ、脱衣所のない冷たい浴室・・・問題点は山積みだ。
トイレは外にしかない上に、家族四人が薪ストーブの周りで縮こまっている生活から解放されたい…。
果たして匠は、寒さに凍えるY家に、どんな治療を施すのか。
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~雪国の住医~
渋谷達郎
渋谷達郎 + アーキテクチュアランドスケープ / 一級建築士
地元山形を拠点とする、寒冷地住宅のスペシャリスト。日照時間が短く、家の中でこもりがちな生活を送る寒冷地に、断熱性や、気密性を高めながら、日の光を浴びることができる、開放的で暖かい住まいを実現する。
高橋工務店
山形県天童市