京大演習林事務所

京大芦生演習林・中島林長にお話をうかがいました。

芦生の森は原生林と呼ばれていますが、正しく言うと「原生的な風景が残されている」森。
何より温帯の原生林ということで貴重な存在といえます。温帯は人が住みやすい環境ですから、その原生林は世界的に見てもあまり残っていません。
しかも暖温帯と冷温帯の移行帯にあり、日本海側と太平洋側の移行帯でもあり、いくつかの固有種もあります。
更に「Moss Forest」であるということ、そういう意味でここは貴重なのです。
森を研究するには、長い時間をかける必要があります。演習林となったことで、ようやくそれが始まりました。
だから今後もこの森は、出来るだけ、原生のままで残すのがBESTだと思います。ただ将来的にどうしていくのかは、京大の事情だけでなく、地元、流域の人たちも含めて考えていく必要がありますね。
森は生産・環境・文化など広い意味で資源といえますが、一面だけに終わらない使われ方を考えるべきだと思います。

注:入林届は忘れずに!……中島林長からのお願い
最近のブームの中で、演習林を訪れる人が増えました。
でも芦生演習林は京都大学が地元の方からお借りしている教育と研究のための場所。
けっして公園ではありませんので一般の利用は制限しています。
入林する際は演習林事務所で手続きをして、「芦生演習林利用者心得」をキチンと読んでから利用してください。これは面倒なことでも難しいことでもありません。あたりまえのルールとして必ず守って下さい。
ところで自然は、美しい・素晴らしいだけでは存在しません。自然というものは、怖いものであるという認識を持ってください。自分の身は自分で守ること…それが自然と接するための第一歩です。
(京都大学付属演習林は平成15年4月から「京都大学フィールド科学教育センター」に統合され、「芦生研究林」となりました。
詳しくはホームページをご覧ください。http://fserc.kais.kyoto-u.ac.jp/)

 
芦生の森
写真一覧へ

前の写真へ