暮らしのベースが都会に偏りがちな現代の私たちにとって、森は自然の代名詞です。
古くから人がその恵みにあずかり、利用し、時には畏れを抱きながら関わってきた場所、今となっては癒しの場所でもある森。その“聖地”的存在の芦生へ行ってきました。
でもそこで私たちが見た風景は、とりたてて特別ではなくどこにでもあるような山、つまり「なじみのある場所」でした。
トロッコ道
冬の雪
つららからのしずく
羊雲
秋の訪れ
木霊
トチの大木
ミズナラの大木
清らかな流れ
朝もや
駆ける光
山の神
廃屋
山里
杉尾峠より
京大演習林事務所


芦生の森に入るなら・・・         

 芦生の森に入るなら ・ ・ ・
まずは美山町自然文化村がガイドするツアーに参加してみましょう。
自然が織り成すさまざまなことがらを教えてもらいながら歩けば、楽しさは倍増するでしょう。
※詳しくは、美山町自然文化村 河鹿荘へ
TEL:0771-77-0014  http://www.m-kajika.jp/

芦生の森の魅力は、かつての人の暮らし、気配、残影が見えてくるところだという。「こんな森はそうそうないぞ!」という想いがするという、河鹿荘支配人の北村欣也さんにお話をうかがいました。

「現代は、人が森から遠く離れた時代です。都会の人は自然との接し方がわからない。たとえば分かりやすい例で言うと、正しい用便。言ってみれば、それぐらいなら森にとっての影響は大きなものじゃありません。それよりもあとから来た人が見て受ける「心のダメージ」がわかってないんです。ちょっと土を被せておくだけでもいいんです。そんな工夫と技術を伝える必要すら感じます。それに比べて昔の人は、自然を見る眼が細やかというか、節度とかルールをわきまえていたというか、よく自然を知っていたと思いますね。またこの森の歴史を知ることも大切だと思います。人がどんなふうに関わってきたか、そこに思いを馳せることで「みんなの宝物」という意識が芽生えるでしょう。そうすると、生きものとしての人がどうあるべきか、自ずと見えて来ると思いますね。何百年たってもこの森は大丈夫、そう確信出来るように森と接していたんです。」

[北村欣也さん]
母親が美山の出身という縁で昭和55年から山仕事をしにIターン。平成2年、自然文化村の職員募集に応募して転職。当時の京都大学芦生演習林の大畑林長と協議を重ね、平成3年から「芦生原生林ハイキング」をスタートさせた。現在は河鹿荘支配人を務めながら、ガイドも続けている。