木霊

森は大自然である。
人間がどれだけアプローチしても、手に負えない「野生」の世界がほとんどだ。
野生の世界はまた「闇」の世界につながっている。そこは人が足を踏み入れてはならない場所。
川の流れ行く音を心地よく聞いていたのに、なぜか急にあたりが気になり始めたことってないだろうか。
視界の片隅で風に揺れる草に、神経が集中する瞬間があるにちがいない。
美しい花に惹かれて、道を外れた時に、なぜか申し訳ないという気持ちになることがあるはずだ。それはつまり、人と野生のはざまに迷い込んで戸惑っているのだ。
もしかすると、いつしかヒトが忘れてしまった大いなる存在を体感しているのかもしれない。

 
芦生の森
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