人魚の肉を食べたことによって、 何年経っても若く美しいままで、 年を取らなくなったという八百比丘尼。 八百歳になって、この岩窟に入定したと言われている。 『不老長寿』の人生とは、一体どういうものであろうか。 そんな遠い昔に思いを馳せようとしていると、 すぐ隣の小学校から、子どもたちの騒がしい声が聞こえてきた。 「これじゃあ八百比丘尼も、なかなか静かに休まれないだろうな」 などと苦笑いしながら、岩窟に向かって両手を合わす。。