■今日午後、ある演劇関係の会合に出席して参りました。ABCホールは出来たばかりだし、艦長はずっとテレビ関係の仕事をしてきたのでこの業界は全く素人で(いつまでそんなこと言うてんねん、と内部から叱られそうですが)、人脈もなく、今日も何枚かの名刺を渡し、同じ数の名刺を頂戴しました■その中に1枚、なぜか、ある大手人材派遣会社の名刺があったんですね■僕、社会人歴まもなく30年というベテランなのですが、いまだに「駄目だなー!俺」と思うのは、この名刺交換の時、いつも必ず上の空で、渡していただいた方の肩書きも名前も顔も、ほとんど覚えられないということです。机の中には就職以来交換した名刺がおそらく1万枚以上はありますが、その中の何パーセントかは「えー、この人とどんなところで、どんな縁で挨拶したんだっけ?」という有様です。昨日もらったやつでもです。はっきりいって最低です。僕はもう手遅れですが、これから社会人になろうとする方に忠告!■名刺をもらったら、忘れないうちにその方の特徴とか、どういう用件で会ったとか、隅っこにメモしときましょう。きっとそれは後に大切な財産になることでしょう。あー、ダメサラリーマンのぼやきはええねん■話を戻します。名刺交換の時には例によってうつむいたままだったのですが、後で確認すると、その人材派遣会社の方は、黒いスーツをかっちり着こなした美しい女性でした。いかにも仕事の出来る営業ウーマンって感じ。あとの出席者は、僕も含めてジーンズやTシャツの、まああんまり高い服は着てない人たちばかりだったので、かなり異彩を放っておりました。で、疑問だったのは、何故演劇関係の会合にそんな方がおられるのか?ということだったのですが...後で分かりました!■いくつかの議題が片付いた後、その方のショータイム?がやってきたのです■何とですね、その女性は、ご自分の会社が開発した新商品、『演劇をやっている人向けの人材登録プラン』のプレゼンに来られていたのです。この説明がまた、実に美しく流暢な標準語で、理路整然としていて、まあ説得力抜群だったんですよ■つまり...僕も学生時代は演劇をかじってたものの普通に就職してしまったのでそういう経験はないのですが、例えばプロの役者を目指して修業している人は、生活費はまず基本的にアルバイトで稼ぐ、ということになるわけです。ところが、芝居をやってると、暇な時は暇だけど、稽古から公演本番にかけてはほとんど時間がとれなくなる、と、差が激しい。だから、例えば「毎日9時-5時」とか「週3日必ずシフトに入る」みたいな規則正しい働き方がなかなか出来ないという悩みがあるんですね■そこでこの会社は、そういう若き芸術家の卵のための人材登録コースを作ったというわけなんです。その人の事情を汲んでそれに適した職場を探す、あるいは複数のメンバーで仕事をシェアする、などの工夫です(違う劇団の人間が集まれば、大抵公演の時期はずれているので、誰かがダメでも誰かが仕事に行けるというわけ)■聞けば、演劇が集団による創作行為であるからか、芝居をやってる人は案外協調性があって、職場で高い評価を得ることが多いのだとか...(まあ、時にわがままであることも芸術家には必要だとは思うけど)...なるほど!それにしてもいろんなことを考える人がいるものだなあ■(艦長)
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- 2008年09月09日火曜日