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映画「演劇」

■ただ今16時過ぎ。第一回どんかぶり演劇祭参加作品(?)、sunday『グルリル』、初日マチネを拝見しました。量子力学のような演劇です。何を云っているか判らなければ、観るべし!この後は伊丹のアイ・ホールで2作品目、kitt『梢をタコと読むなよ』を拝見しに行かなければならないので、急ぎます。

■『勝手に衝撃作品紹介』のコーナー、最後は、想田和弘監督作品・観察映画第3弾『演劇1』、第4弾『演劇2』(いずれも公開中)です。想田監督と観察映画については、3年前の夏のこのブログをご参照ください。

■いやーなかなか上手くまとまっておりますが(笑)、つまり、『観察映画』とは、予断と予定調和を最大限に廃し、対象のあるがままの姿を観察するように作られたドキュメンタリー。分かりやすい特徴としては、「字幕なし」「ナレーションなし」「音楽なし」の三無主義です。第1作『選挙』の観察対象が日本のドブ板選挙、第2作『精神』が精神科の医院に通う人々■そして3年前、私が期待を込めて記していた第3作、平田オリザさんと青年団の観察記録が、ついに先日劇場公開されたのです。『演劇1』、『演劇2』と二部作となって、合計なんと5時間42分!■短い休憩を挟んで一気見しました。あちこちで感想を目にしますが、これが全く長く感じません。あっという間なんです、ほんと■ざっくり云うと、『1』が、青年団と、その主宰であり座付作家・演出家である平田さんの活動。『2』が、劇団と劇場の経営者として、また、著書『芸術立国論』に象徴される、文化活動家としての平田さんの奮戦記です。どちらも驚愕の面白さです■これは別に私が演劇ファンだからでは面白いのではありません。こんな頭脳明晰でヘンテコでしかも強い人はいない(この『強い』が重要で、芸術家としては稀有なところです)。そのキャラクターの強烈さが感動的なのです■無論、6時間近くにわたって描写される個々のディテールも無類に面白い。青年団の独特の稽古風景、おそらく日本映画・テレビ史上最も長い時間にわたって描かれる地方公演の仕込作業、仕事をダブルブッキングしてしまった劇団員への叱責、政権奪取直前でイケイケの民主党幹部議員たちとの会食、地方自治体の首長との噛み合わない会話、フランス人とのギャラ交渉・・・。結局作品のキモは平田さんの底知れぬエネルギーに帰結するわけですが、国を動かすような戦略から、自分の小さな劇団の雑用まで、すべてに同じ情熱を注ぐ姿に圧倒されるのです■平田オリザを好きな人も嫌いな人も、すべての演劇関係者が、いや、何らかの芸術について少しでも興味のあるすべての人が観るべき映画だと思いました。いずれDVDになるのだとは思いますが、是非とも劇場で■何といっても、映画『演劇1』そして『演劇2』なのですから(艦長)

 

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2012年11月08日木曜日
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