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大田王・2

■カレンダーを見れば終わってもう結構な日にちが経ってしまった『大田王2014ジゴワット』■僕は今回の公演をずっと前から楽しみにしていたわけですが、これをちょっと唐突ながら食事に喩えてみますと・・・。調理の過程をずっと厨房で見学し、出来上がった料理を目や舌で存分に味わい、のど越しを楽しんだところ。これからようやく、ゆっくりゆっくり消化していく感じです■今回『大田王』の公演をやることになった発端は、昨年のいつだったか、大王こと後藤ひろひと氏と僕が大阪環状線福島駅裏の焼き鳥屋で飲んだ夜の僕の一言。あとで伝票を見たら二人でビールを17杯だか頼んでいたのでかなり酔っていたわけですが、僕がその勢いで遠慮がちに「大田王やりたいな、やってほしいな・・・」と云ったのです (このあたりのもっと詳しいニュアンスは後藤氏のブログに書かれているので、興味のある方は是非)■前にも書きましたが、『大田王』というユニットでの公演は1997年と1999年の2回、そのプロトタイプともいえる『田王』を入れても3回だけ。前世紀末のはるか昔の話です。個性豊かな30歳そこそこの役者たちが繰り広げる秀逸なコント、あるいはアイデアは抜群ながら敢えてユルユルに仕立てている企画コーナーとかのラッシュに、僕は完全にKOされました。個々の演し物の面白さと同時に、普段は別々の団体で活動しているメンバーたちの独特の連帯感が素敵だったのです。ベタつかず、ライバル心を保ちながら、しかし互いの才能や技量を信頼して、まるで舞台で遊んでいるかのうように見せつつお客様を楽しませる・・・。そんな部分に感銘を受けたのだと思います■『今って、あんな感じないかもなあ・・・』。これには、当時、OMS(扇町ミュージアムスクエア)という関西小劇場界の梁山泊的な空間があったことも大きかったのかもしれません。ABCホールが、そんな存在に少しでも近づけたらいい、僕がずっとそう思っているのも事実です■さて、そんな思いとは別に、僕はこれまでの経験で、現役の芸人さんとか俳優とか劇作家とか演出家とか・・・そんな人たちと話をする時に、その人の『むかし(の作品)』を称賛することがあまりいい空気を生まない場合が多いことを学んできました。つまり、創造を生業とする人たちは基本的に今の自分を見てほしい、褒めるなら今を褒めてほしいものである、と。第一かっこ悪いしね、『昔のアレ、よかったからまたやろう』って云うのは、年寄り臭くて後ろ向きで。更に云い出しにくかった理由をつけ加えるなら、『大田王』は、ちゃんとした演劇作品ではない。その時信頼し合っていた仲間たちが、自分が面白いと思うネタを持ち寄ってまとめ上げたバラエティショウなのです。時代の空気・人間関係が舞台の内容・出来栄えを大きく左右します。『再演』することは無意味かつ不可能で、『同じコンセプトで新しいもの』を作るしかありません。参加メンバーにとっては、手間だけはかかるけど、演劇人としてのキャリアにあまりプラスにならない結果に終わることだって考えられます■しかし、"飲んだ時にした話は全然覚えていない"という噂だった大王は、心優しくもこの夜語った僕の夢を胸に留めていてくれたのです。あとは・・・別のプロジェクトで大王と会っていた当ホール猪瀬Pが全部やってくれました。完璧なキャストの座組みと、彼らの奔放な発想を叶える最高のスタッフの招集■そして、2014年4月1日。まるでウソみたいな日でした。桜咲く堂島川の畔のレトロな写真スタジオに、あの8人がやってきたのです・・・■to be continued(艦長)

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大田王・1

2014年07月29日火曜日
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