■「Walk oN!」御一行が爽やかに去った翌朝、ABCホールにはお馴染のイキウメチームが小屋入り。『聖地X』、明日初日です■2010年5月、大阪・梅田のHEP HALLで私、イキウメの『プランクトンの踊り場』という作品を鑑賞しました。それが"初イキウメ体験"だったのですが、その時以来すっかりこの劇団の知的でスタイリッシュでしかも上質のユーモアが漂う作風のファンになってしまいました。今回の『聖地X』は、その『プランクトンの踊り場』を更にブラッシュアップし、タイトルを変えたものだそうです■イキウメの主宰・前川さんの演出で特にいつも感心するのは、舞台空間の使い方の巧さです。舞台上に具象的な大道具・小道具を持ち込まず、同じ空間をいくつもの違った場所として見せるのは小劇場の常套手段です。しかしイキウメでは、椅子やテーブルなどリアルな道具類がいくつも配置されているのにもかかわらず、舞台上のある特定の地点が、いつの間にか全く異なる場所として自然に表現されてしまうのです。暗転するわけでもなく、派手な音響効果があるわけでもなく、計算されつくした美術と、俳優の動きと、台詞の流れによってです。実はそのシームレスな展開こそが、観客を知らず知らずのうちに異世界に連れて行ってしまうイキウメ・マジックのひとつなんだと思います■今回は、ドッペルゲンガーのお話。1人の人間が同時に2か所に存在する現象■僕も昔一度だけ体験したことがあります。18歳の時のこと。当時僕はほぼ毎晩いわゆる「金縛り」にかかっていて、もう慣れっこになっていました。ある夜、普段より長く苦しく感じた金縛りからようやく解放され、動けるようになった僕は、布団の中で寝たままふと横を見ました。すると、目が合ったのです。隣で同じように布団にくるまり、こっちを見ている僕と。怖かったよー!!・・・幻覚、あるいは夢の続きだと瞬時に自分に言い聞かせはしたのですが、やっぱりあの恐怖は忘れられません■それはともかく、パワーアップして帰ってきた『聖地X』、楽しみです!(艦長)
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- 2015年06月04日木曜日