リフォームの後も、「匠」と依頼者は、バーベキュー大会をしたりと家族ぐるみでのお付き合いが続いていました。ただ、ここ2年間は訪れていないということで、久しぶりの対面を楽しみにする「匠」。
訪れた依頼者宅は緑濃く夏を感じさせる様相で、依頼者夫婦と共に「匠」を迎えました。
お土産のビアサーバー用のビアタンクを渡すと、早速部屋の様子を伺う「匠」。
リフォームした部屋の良さそのままに、さらに民芸風の家具を買いそろえるなど、ご夫婦自身で快適にアレンジされて、綺麗に使われている部屋を見て、微笑みが浮かびます。
「匠」が柱に手を伸ばしました。割れています。
部屋を見回すと、住みだしてから出来た柱や梁の新しい割れ目に視線が留まります。
年々深くなっている気がするという奥さんに、床暖房で部屋が乾燥するなど、過去100年とは違う環境になったので、しばらく馴染むまでは割れるが、強度に影響は無い、と説明する「匠」。
ひと安心したところで庭へと。ご主人が案内したのは、ご主人手作りのピザ窯。
たった一人で耐火レンガを積み上げて作ったという、日曜大工の範疇を超えた本格派の窯を見て、「匠」も言葉を失うほどに、ただただ感心。
そんな「匠」は庭の奥にある建物も気になるようです。
それは、以前は倒壊寸前だった納屋を、壁に下地用の合板を貼って、屋根も修理し、窓を付けてリフォームしたもの。なんと、これもご主人の手によるもの。
その小屋は、扉に靴の取っ手がつけられた、靴職人であるご主人の工房。
築100年の古民家は、「匠」の手が加えられた後も、ご夫婦の手によって、さらに快適に生まれ変わっていたのでした。
ご主人の腕前に触発された「匠」は、一人ホームセンターへ。
そこでフレキ管と呼ばれる、水道の配管に使われる自由に曲がるステンレスの金具を手にする「匠」。果たしてこの金具を使って「匠」は何をしようというのでしょうか?
「匠」はご主人から許可を頂くと、敷地内の竹藪から竹を切りだし、なにやら作り始めました。
150cmほどの長さに切った太い幹に、細い幹を差し込もうとする「匠」ですが、なかなか上手くできません。見かねたご主人が、交代。無事一本につながりました。
その竹の先端に先ほど買った自由に曲がる水道管を差し込み、更にその先に市販の埃取りを取り付けました。そう、この不思議な竹竿は、家の天井高くにある梁に溜まった埃を掃除する道具だったのです。
掃除をキッチリとしたがるのがドイツ人。そんなご主人が早速試して梁から4年分の埃が取り除かれました。