実は「匠」と依頼者とは、リフォーム後も年賀状を頂く等、ずっとお付き合いが続いていました。でも、リフォームしてから依頼者宅に訪れるのは初めてで、6年ぶり。
玄関が開くと、ご夫婦が笑顔でお出迎え。
あの庭では、すっかり成長した子ども達が遊んでいました。「匠」の不安をよそに、家族は「匠」が思い描いたとおりに庭を使ってくれていました。
家族の記念撮影もこの庭でおこなわれていて、庭が四季を通じて家族を見守り続けてくれているのを感じることができました。
見渡すと、あのとき明るく生まれ変わった庭が、今も大切に使われている様子がうかがえます。
6年の時を経て、家族の手によって変化も加えられていました。ご主人が井戸を掘り池の水に使用しています。
リフォーム時に「匠」が池の奥に用意した筧(かけひ:竹製の水引装置)は、生い茂った雑草の中に埋もれていました。
「匠」は、さっそく雑草を取り払い、筧の復活作業に取り掛かりました。切り取った近くの黒竹に井戸からひいたホースをつないで、再び池に風情を取り戻しました。
一段落ついたところで、家族総出で雑草取りを始めました。子ども達も大好きな庭のために一所懸命手伝ってくれています。
草むしりは子ども達に任せて、「匠」とご主人が伸び過ぎた木々の剪定をおこなっていると…
お友達がやってきました!
いつもこの庭には沢山のお友達が遊びに来ていて、誰が何曜日に来るかを決めるほど、盛況なんだそうです。
そこで、遊びにきたお友達にも、この草むしりに飛び入り参加してもらいました。
子ども達が草むしりをしている間、「匠」は竹を6等分し、さらに短冊状に切り分けていました。
「匠」は、続いて剪定した枝から葉のついた部分を切り落としていきました。
そして準備が整うと、子ども達を呼び集めました…
「匠」から板と先ほど切り出した竹ベラが子ども達に配られました。
子ども達が板に外壁材を塗りつけ、そこに枝や石を使って自由に絵を描いていきます。
「匠」は子ども達に庭の更なる楽しみ方を教えたかったのです。